与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 11

与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 11

01.   小松といふところにて
02.  しほらしき名や小松吹萩すゝき
03.此所太田の神社に詣真盛か甲錦の
04.きれあり往昔源氏に属せし時義朝公
05.より給ハらせ給とかやけにも平士のものに
06.あらす目庇より吹返しまて菊からくさの
07.ほりもの金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
08.真盛討死の後木曽義仲願状にそへて
09.此やしろにこめられ侍るよし樋口の次郎か
10.使せし事ともまのあたり縁記に見えたり
11.  むさんやな甲の下のきり/\す
12.山中の温泉に行ほと白根か嶽あとに
13.ミなしてあゆむ左の山際に観音堂
14.あり花山の法皇三十三所の巡礼とけ
15.させ給ひて那谷と名付給ふとかや那智
16.谷組のニ字をわかち侍しとそ奇石さま/\に
17.古松植ならへて萱ふきの小堂岩のうへに


注:
14-15(とけさせ給ひて那谷と名付給ふ) 
版44a.01-03(とけさせ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付給ふ)
(後大慈大悲の像を安置し給ひて)の部分が脱落しています。
(とけさせ給ひて)と(安置し給ひて)を見間違えて抜かしてしまったのかもしれません。

15(とかや) 版44a.03(と) 早大29a.15(とかや)

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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵

版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).   小松と云・所・・にて
(海).   小松と云・ところにて
(京).   小松といふところにて
(山).   小松といふところにて
(逸).   小松と云・ところにて
02
(版).  しほらしき名や小松吹・萩すゝき
(海).  しほらしき名や小松吹・萩すゝき
(京).  しほらしき名や小松吹・萩すゝき
(山).  しほらしき名や小松ふく萩すゝき
(逸).  しほらしき名や小松吹・萩すゝき [吹・萩]一文分空白あり
03
(版).此所・・太田の神社に詣真盛か甲錦の 43a.01
(海).此所・・太田の神社に詣真盛か甲錦の
(京).此所・・太田の神社に詣真盛か甲錦の
(山).此所・・太田の神社に詣盛か甲錦の 早大28b.13(實盛)
(逸).比ところ太田の神社に盛か甲錦の
04
(版).切・あり往昔源氏に属せし時義朝公
(海).切・あり往昔源氏に属せし時義朝公
(京).きれあり往昔源氏に属せし時義朝公
(山).切・有・往昔源氏に属せし時義朝公
(逸).きれ有・往昔源氏に属せし時義朝公 [属せし][属し][せ]挿入
05
(版).より給ハらせ給・とかやけにも平士のものに
(海).より給ハらせ給とかやけにも平士のものに
(京).より給ハらせ給・とかやけにも平士のものに
(山).より給らせ給とかやけにも平士の物・
(逸).より給ハらせ給とかやけにも平士のものに
06
(版).あらす目庇より吹返しまて菊から草・の
(海).あらす目庇より吹返しまて菊からくさの [くさ][く]判読難
(京).あらす目庇より吹返しまて菊からくさ
(山).あらす目庇より吹返しまて菊からくさ
(逸).あらす目庇より吹返しまて菊からくさ
07
(版).ほりもの金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
(海).ほりもの金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
(京).ほりもの金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
(山).ほり物・金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
(逸).ほり物・金をちりはめ龍頭に鍬形打たり
08
(版).真盛討死の後・木曽義仲願状にそへて
(海).真盛討死のゝち義仲願状にそへて [木曾][キ曾]にも見える
(京).真盛討死の後・木曽義仲願状にそへて
(山).盛討死の後・木曽義仲願状に添・て 早大29a.04(實盛) 昔安22b.10(添て)
(逸).盛討死のゝち木曽義仲願状にそへて
09
(版).此・社・・にこめられ侍・よし樋口の次郎か 43b.01(こめられ)
(海).このやしろにこめられ侍・よし樋口の次郎か
(京).此・やしろにこめられ侍よし樋口の次郎か
(山).この社・・にこめられ侍・よし樋口の次郎か
(逸).此・社・・にこめられ侍よし樋口の次郎か
10
(版).使せし事共・まのあたり縁記にみえたり []
(海).使せし事ともまのあたり縁記に見えたり
(京).使せし事ともまのあたり縁記に見えたり
(山).使せし事ともまのあたり縁記に見えたり
(逸).使せし事ともまのあたり縁記に見えたり
11
(版).  むさんやな甲・・の下のきり/\す
(海).  むさんやな甲・・の下のきり/\す
(京).  むさんやな甲・・の下のきり/\す
(山).  むさんやなかふとの下のきり/\す
(逸).  むさんやな甲・・の下のきり/\す
12
(版).山中の温泉に行ほと白根か嶽跡・に
(海).山中の温泉に行ほと白根か嶽あとに
(京).山中の温泉に行ほと白根か嶽あとに
(山).山中の温泉に行ほと白根か嶽あとに [行ほと][ほ]判読難
(逸).山中の温泉に行ほと白根か嶽あとに
13
(版).みなしてあゆむ左の山際に観音堂
(海).なしてあゆむ左の山際に觀音堂
(京).なしてあゆむ左の山際に観音堂
(山).みなしてあゆむ左の山際に觀音堂
(逸).みなしてあゆむ左の山際に観音堂
14
(版).あり花山の法皇三十三所の順礼とけ 44a.01(とけ)
(海).あり花山の法皇三十三所の順とけ
(京).あり花山の法皇三十三所の礼とけ
(山).あり花山の法皇三十三所の礼とけ
(逸).あり花山の法皇三十三所のとけ
15
(版).させ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付・給ふと・也那智
(海).させ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名つけ給ふとかや那智 早大29a.15(給ふとかや)
(京).させ給ひて・・・・・・・・・・・・・・那谷と名付・給ふとかや那智
(山).させ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付・給ふと・也那智
(逸).させ給ひて後大慈大悲の像を安置し給ひて那谷と名付・給ふとかや那智
16
(版).谷組の二字をわかち侍・しとそ奇石さま/\に
(海).谷組の二字をわかち侍しとそ奇石さま/\に
(京).谷組のニ字をわかち侍・しとそ奇石さま/\に
(山).谷組の二字をわかち侍・しとそ奇石さま/\に
(逸).谷組の二字をわかち侍・しとそ奇石さま/\に
17
(版).古松植ならへて萱ふきの小堂岩の上・に
(海).古松植ならへて萱ふきの小堂岩のうへ
(京).古松植ならへて萱ふきの小堂岩のうへ
(山).古松植ならへて萱ふきの小堂岩の上・に
(逸).古松植ならへて萱ふきの小堂岩のうへ

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与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18.


表紙 000 
1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004 
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01
19.宮城野 035.02 036 037.04
20.壺の碑 037.05 038 039 040.03
21.末の松山 040.04 041 042.04
22.塩竈 042.04 043 044.04
23.松島 044.05 045 046 047 048 049.05
24.石巻 049.06 050 051.07
25.平泉 051.08 052
053 054 055.01
26.尿前の関 055.02 056 057 058 059.01
27.尾花沢 059.02 060.03
28.立石寺 060.04 061
29.最上川 062