おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 04
01.八里更に日月行道の雲関に入かとあやし
02.まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
03.月あらハる笹を敷篠を枕として臥て
04.明るを待日出て雲消れは湯殿に下る
05.谷の傍に鍛冶小屋といふ有此国の鍛冶
06.霊水を撰てこゝに潔斎して釼を打
07.終月山と銘を切て世に賞せらるかの龍泉
08.に釗を淬とかや干将莫耶のむかしをしたふ
09.道に堪能の執あさからぬ事しられたり
10.岩にこしかけてしはしやすらふほと三尺計
11.なるさくらのつほミ半ハひらける有ふり積
12.雪の下に埋て春をわすれぬ遅さくらの花の
13.こゝろわりなし炎天の梅花こゝにかほるかことし
14.行尊僧正のうたのあハれもこゝにおもひ出て
15.猶まさりて覚ゆ惣而此山中の微細行者の
16.法式として他言する事を禁す仍<て>筆を
17.とゝめて記さす坊に帰れは阿闍梨のもとめに
18.依て三山順礼の句を短冊に書
19. 涼しさやほの三か月の羽黒山
20. 雲の峰いくつ崩れて月の山
21. 語れぬ湯とのにぬらす袂かな
22. 湯殿山銭ふむ道のなミたかな 曽良
注:
16.仍<て> <て>脱字
17.阿闍梨 [梨]は[門+梨]
18.(句を) 蕪村以外は(句々)
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).八里更に日月行道の雲関に入かとあやし
(海).八里更に日月行道の雲関に入かとあやし
(京).八里更に日月行道の雲関に入かとあやし
(山).八里更に日月行道の雲関に入かとあやし
(逸).八里更・日月行道の雲関に入かとあやし
02
(版).まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
(海).まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
(京).まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
(山).まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
(逸).まれ息絶身こゝえて頂上に臻れは日没て
03
(版).月顕・・る笹を鋪・篠を枕として臥て 34b.01(笹を)
(海).月顕・・る笹を鋪き篠を枕として臥て
(京).月あらハる笹を敷・篠を枕として臥て
(山).月顕・・る笹をしき篠を枕として臥て
(逸).月あらハる笹を鋪・篠を枕として臥て
04
(版).明るを待日出て雲消・れは湯殿・に下る
(海).明るを待日出て雲きゆれは湯殿・に下る
(京).明るを待日出て雲消・れは湯殿・に下る
(山).明るを待日出て雲消・れは湯とのに下る
(逸).明るを待日出て雲消・れは湯とのに下る
05
(版).谷の傍・・・に鍛冶小屋と云・有此国の鍛冶
(海).谷の傍・・・に鍛冶小屋と云・有此國の鍛冶
(京).谷の傍・・・に鍛冶小屋といふ有此国の鍛冶
(山).谷の傍・・・に鍛冶小屋といふ有此国の鍛冶
(逸).谷のかたはらに鍛冶小屋と云・有此國の鍛冶
06
(版).霊水を撰て爰・に潔斎して𨥁を打
(海).霊水を撰てこゝに潔斎して釼を打
(京).霊水を撰てこゝに潔斎して釼を打
(山).霊水を撰てこゝに潔斎して釼を打
(逸).靈水を撰てこゝに潔齋して釼を打
07
(版).終・月山と銘を切て世に賞せらる彼・龍泉
(海).終・月山と銘を切て世に賞せらるかの龍泉
(京).終・月山と銘を切て世に賞せらるかの龍泉
(山).終に月山と銘を切て世に賞せらる彼・龍泉
(逸).終に月山と銘を切て世に賞せらるかの龍泉
08
(版).に釗を淬・とかや干将莫耶のむかしをしたふ [耶][邯]に見える 35a.01(したふ)
(海).に釗を淬くとかや干将莫耶のむかしをしたふ
(京).に釗を淬・とかや干将莫耶のむかしをしたふ
(山).に釗を淬・とかや干将莫耶のむかしをしたふ
(逸).に釗を淬・とかや干将莫耶のむかしをしたふ
09
(版).道に堪能の執あさからぬ事しられたり
(海).道に堪能の執あさからぬ㕝しられたり
(京).道に堪能の執あさからぬ事しられたり
(山).道に堪能の執あさからぬ事しられたり
(逸).道に堪能の執あさからぬ事しられたり
10
(版).岩に腰・かけてしハしやすらふほと三尺はかり
(海).岩に腰・かけてしはしやすらふほと三尺はかり
(京).岩にこしかけてしはしやすらふほと三尺計・・
(山).岩に腰・かけてしはしやすらふほと三尺はかり
(逸).岩に腰・かけてしはしやすらふほと三尺はかり
11
(版).なる桜・・のつほミ半ハひらけるありふり積・
(海).なる櫻・・のつほミ半ハひらけるありふりつむ
(京).なるさくらのつほミ半ハひらける有・ふり積・
(山).なる櫻・・のつほミ半ハひらける有・ふりつむ
(逸).なる櫻・・のつほみ半ハひらけるありふりつむ
12
(版).雪の下に埋て春を忘・れぬ遅・さくらの花の
(海).雪の下に埋て春を忘・れぬ遅・さくらの花の
(京).雪の下に埋て春をわすれぬ遅・さくらの花の
(山).雪の下に埋て春を忘・れぬ遅・さくらの花の
(逸).雪の下に埋て春をわすれぬおそさくらの花の
13
(版).心・・わりなし炎天の梅花爰・にかほるかことし
(海).こゝろわりなし炎天の梅花爰・にかほるかことし
(京).こゝろわりなし炎天の梅花こゝにかほるかことし
(山).こゝろわりなし炎天の梅花こゝにかほるかことし [炎天][炎]判読難
(逸).こゝろわりなし炎天の梅花こゝにかほるかことし
14
(版).行尊僧正の哥・の哀・・も爰・に思・ひ出て
(海).行尊僧正の哥・のあハれもこゝにおもひ出て
(京).行尊僧正のうたのあハれもこゝにおもひ出て
(山).行尊僧正のうたのあハれもこゝにおもひ出て
(逸).行尊僧正のうたのあはれもこゝにおもひ出て
15
(版).猶まさりて覚・ゆ惣而此山中の微細行者の 35b.01
(海).猶まさりて覚・ゆ惣而此山中の微細行者の
(京).猶まさりて覚・ゆ惣而此山中の微細行者の
(山).猶まさりて覚・ゆ惣而此山中の微細行者の
(逸).猶まさりておほゆ惣而此山中の微細行者の [おほゆ][おゆ]右に[ほ]挿入
16
(版).法式として他言する事・を禁す仍て筆を
(海).法式として他言する事・を禁す仍て筆を
(京).法式として他言する事・を禁す仍・筆を
(山).法式として他言する事・を禁す依て筆を
(逸).法式として他言することを禁す仍て筆を
17
(版).とゝめて記さす坊に帰れは阿闍梨の需・・に [梨]は[門+梨]
(海).とゝめて記さす坊に帰れは阿闍梨の需・・に [梨]は[門+梨]
(京).とゝめて記さす坊に帰れは阿闍梨のもとめに [梨]は[門+梨]
(山).とゝめて記さす坊に帰れは阿闍利のもとめに
(逸).とゝめて記さす坊に帰れは阿闍梨のもとめに [梨]は[門+梨]
18
(版).依て三山順礼の句々短冊に書
(海).依て三山順礼の句を短冊に書
(京).依て三山順礼の句を短冊に書
(山).依て三山巡礼の句を短冊に書
(逸).依て三山順禮の句を短冊に書
19
(版). 涼・しさやほの三か月の羽黒山
(海). 涼・しさやほの三か月の羽黒山
(京). 涼・しさやほの三か月の羽黒山
(山). 涼・しさやほの三か月の羽黒山
(逸). すゝしさやほのミか月の羽黒山
20
(版). 雲の峯幾・つ崩・て月の山・
(海). 雲の峯いくつ崩れて月の山・
(京). 雲の峰いくつ崩れて月の山・
(山). 雲の峰いくつ崩れて月のやま
(逸). 雲の峯いくつ崩・て月のやま
21
(版). 語られぬ湯殿・にぬらす袂かな
(海). 語られぬ湯殿・にぬらす袂哉・
(京). 語・れぬ湯とのにぬらす袂かな
(山). 語られぬ湯とのにぬらす袂かな
(逸). 語・れぬ湯とのにぬらす袂かな
22
(版). 湯殿・山銭ふむ道の泪・・かな 曽良 36a.01
(海). 湯殿・山銭ふむ道のなミたかな 曽良
(京). 湯殿・山銭ふむ道のなミたかな 曽良
(山). 湯殿・山銭ふむ道の泪・・かな 曽良
(逸). ゆとの山銭ふむ道の泪・・かな 曽良
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与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01