おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 14
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2590993/17
01.大聖寺の城外金昌寺といふ寺に
02.とまる猶加賀の地なり曽良も前の夜
03.この寺にとまりて
04. 終宵秋風聞やうらの山
05.とのこす一夜の隔て千里に同し吾も
06.秋かせを聞て衆寮に臥す明ほのゝ空
07.近う讀経聲すむまゝに鐘板啼て
08.食堂に入けふハ越前の国へとこゝろ早
09.卒にして堂下に下るを若き僧とも紙硯
10.をかゝえ階のもとまて追来る折ふし
11.庭中の柳ちれは
12. 庭掃て出るや寺に散柳
13.とりあえぬさまして草鞋なから書捨つ
14.越前の境吉嶋の入江を舟に棹して
15.しほこしの松を尋ぬ
16. よもすから嵐に波をはこはせて
17. 月をたれたるしほこしのまつ <西行>
18.此一首にて数景盡たりもし一辯を
注:
01(大聖寺) 版45b.04(大聖持) 早大30a.07(大聖寺)
01(金昌寺) 版45b.04(全昌寺)
06(臥す) 版46a.02(臥は)(ふせば)
07(鐘板啼て) 版46a.03(鐘板鳴て)
13(とりあえぬ) 版46b.02(とりあへぬ)
13(書捨つ) [捨ぬ][ぬ]右に[つ]
14(吉嶋) 版46b.03(吉崎)
17<西行> 脱字補う
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).大聖持の城外全昌寺といふ寺に
(海).大聖寺の城外金昌寺といふ寺に 早大30a.07(大聖寺)
(京).大聖寺の城外金昌寺といふ寺に
(山).大聖寺の城外金昌寺と云・寺に
(逸).大聖寺の城外金昌寺と云・寺に
02
(版).とまる猶加賀の地也・曽良も前の夜
(海).とまる猶か賀の地なり曽良も前の夜 [か賀][か(加)]
(京).とまる猶加賀の地なり曽良も前の夜
(山).とまる猶か賀の地也・曽良も前の夜 [か賀][か(加)]
(逸).とまる猶か賀の地なり曽良も前の夜 [か賀][か(加)]
03
(版).此・寺に泊・・て
(海).此・寺に泊・・て
(京).この寺にとまりて
(山).此・寺に泊・・て
(逸).此・寺に泊・りて 早大30a.09(泊りて)
04
(版). 終宵・・・秋風聞やうらの山
(海). 終宵・・・秋風聞やうらの山
(京). 終宵・・・秋風聞やうらの山
(山). 終宵・・・秋風聞やうらの山 [文字空けや段落替えがない]
(逸). よもすから秋風聞やうらの山
05
(版).と残・す一夜の隔・千里に同し吾も 46a.01(吾も)
(海).と残・す一夜の隔・千里に同し吾も
(京).とのこす一夜の隔て千里に同し吾も
(山).と残・す一夜の隔・千里に同し吾も
(逸).とのこす一夜の隔・千里に同し吾も
06
(版).秋風・を聞て衆寮に臥は明ほのゝ空
(海).秋風・を聞て衆寮に臥は明ほのゝ空
(京).秋かせを聞て衆寮に臥す明ほのゝ空 [臥す]
(山).秋風・を聞て衆寮に臥は明ほのゝ空
(逸).秋風・を聞て衆寮に臥は明ほのゝ空
07
(版).近・う讀経聲すむまゝに鐘板鳴て
(海).近・う讀経聲すむまゝに鐘板鳴て
(京).近・う讀経聲すむまゝに鐘板啼て
(山).近・う讀経聲すむまゝに鐘板鳴て
(逸).ちかう讀経聲すむまゝに鐘板鳴て
08
(版).食堂に入けふハ越前の国へと心・・早
(海).食堂に入けふハ越前の国へと心・・早
(京).食堂に入けふハ越前の国へとこゝろ早
(山).食堂に入けふハ越前の國へと心・・早
(逸).食堂に入けふハ越前の國へとこゝろ早
09
(版).卒にして堂下に下るを若き僧とも紙硯
(海).卒にして堂下に下るを若き僧とも帋硯
(京).卒にして堂下に下るを若き僧とも紙硯
(山).卒にして堂下に下るを若き僧とも紙硯
(逸).卒にして堂下に下るを若き僧とも帋硯
10
(版).をかゝえ階のもとまて追来る折節・
(海).をかゝえ階のもとまて追来る折ふし
(京).をかゝえ階のもとまて追来る折ふし
(山).をかゝえ階のもとまて追来る折節・
(逸).をかゝえ階のもとまて追来る折ふし
11
(版).庭中の柳散れは
(海).庭中の柳ちれは
(京).庭中の柳ちれは
(山).庭中の柳散れは
(逸).庭中の柳ちれは
12
(版). 庭掃て出るや寺に散柳 46b.01 西村本(出はや) 版本(出るや)(る)誤刻判読難
(海). 庭掃て出るや寺に散柳
(京). 庭掃て出るや寺に散柳
(山). 庭掃て出るや寺に散柳
(逸). 庭掃て出るや寺に散柳
13
(版).とりあへぬさまして草鞋なから書捨つ
(海).とりあえぬさまして草鞋なから書捨つ
(京).とりあえぬさまして草鞋なから書捨つ 注:[捨ぬ][ぬ]右に[つ]
(山).とりあえぬさまして草鞋なから書捨つ
(逸).とりあえぬさまして草鞋なから書捨つ
14
(版).越前の境・吉崎の入江を舟に棹・して
(海).越前の境・吉嶋の入江を舟に棹・して
(京).越前の境・吉嶋の入江を舟に棹・して 西[吉崎]
(山).越前の境・吉嶋の入江を舟に棹・して
(逸).越前のくに吉崎の入江を舟に棹さして 柿衛75.06(舟に棹さして)
15
(版).汐・越・の松・を尋ぬ
(海).汐・越・の松・を尋ぬ
(京).しほこしの松・を尋ぬ
(山).汐・こしの松・を尋ぬ
(逸).しほこしのまつを尋ぬ
16
(版). 終宵・・・嵐・・に波をはこはせて
(海). 終宵・・・嵐・・に波をはこはせて
(京). よもすから嵐・・に波をはこはせて
(山). よもすからあらしに波をはこはせて
(逸). よもすから嵐・・に波をはこはせて
17
(版). 月をたれたる汐・越・の松・ 西行
(海). 月をたれたるしほこしの松・ 西行
(京). 月をたれたるしほこしのまつ ・・
(山). 月をたれたるしほこしの松・ 西行
(逸). 月をたれたる汐・こしの松・ 西行
18
(版).此一首にて数景盡たりもし一辨を 47a.01(一辯を)
(海).此一首にて数景盡たりもし一辨を
(京).此一首にて数景盡たりもし一辯を
(山).此一首にて数景盡たりもし一辯を
(逸).此一首にて数景盡たりもし一辨を
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与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01