与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 12
01.造りかけて殊勝の土地也
02. 石山の石より白し秋の風
03.温泉に浴す其功有明に次と云
04. 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
05.あるしとするものハ久米之助とていまた
06.小童也かれか父誹諧を好み洛の貞室
07.若輩のむかしこゝに来りし比風雅に辱し
08.められて洛に帰て貞徳の門人と成て世に
09.しらる功名のゝち此一村判詞の料を請すと云
10.今更むかしかたりとハなりぬ
11.曽良ハ腹を病て伊勢の国長嶌と云所に
12.ゆかりあれハ先立て行に
13. 行/\てたふれ伏とも萩の原 曽良
14.と書置たり行ものゝ悲しミのこるものゝうらみ
15.隻鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又
16. けふよりや書付消ん笠の露
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 13
図 (曽良ハ腹を病て伊勢の国長嶌と云所にゆかりあれハ先立て行に)
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).造・りかけて殊勝の土地也・ 44a.07
(海).造・りかけて殊勝の土地也・
(京).造・りかけて殊勝の土地也・
(山).つくりかけて殊勝の土地也・
(逸).造・りかけて殊勝の土地なり
02
(版). 石山の石より白し秋・の風
(海). 石山の石より白しあきの風
(京). 石山の石より白し秋・の風
(山). 石山の石より白し秋・の風
(逸). 石山の石より白し秋・の風
03
(版).温泉に浴す其功有明に次と云
(海).温泉に浴す其功有明に次と云
(京).温泉に浴す其功有明に次と云
(山).温泉に浴す其功有馬に次と云 柿衛72.02(有馬)
(逸).温泉に浴す其功有馬に次と云
04
(版). 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
(海). 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
(京). 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
(山). 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
(逸). 山中や菊ハたおらぬ湯の匂
05
(版).あるしとする物・ハ久米之助とていまた
(海).あるしとするものハ久米之助とていまた [久米之助とて][と]判読難
(京).あるしとするものハ久米之助とていまた
(山).あるしとするものハ久米之助とていまた
(逸).あるしとするものハ久米之助とていまた
06
(版).小童也かれか父誹諧を好・み洛の貞室
(海).小童也かれか父誹諧をこのミ洛の貞室
(京).小童也かれか父誹諧を好・み洛の貞室
(山).小童也かれか父誹諧を好・み洛の貞室
(逸).小童也かれか父誹諧を好・ミ洛の貞室
07
(版).若輩のむかし爰・に来りし比風雅に辱し
(海).若輩のむかしこゝに来りし時風雅に辱し
(京).若輩のむかしこゝに来りし比風雅に辱し
(山).若輩のむかしこゝに来りし比風雅に辱し
(逸).若輩のむかしこゝに来りし比風雅に辱し
08
(版).められて洛に帰・て貞徳の門人となつて世に 45a.01(となつて)
(海).められて洛に帰・て貞徳の門人となりて世に 柿衛72.09(なりて)
(京).められて洛に帰・て貞徳の門人と成・て世に
(山).められて洛に帰・て貞徳の門人と成・て世に
(逸).められて洛に帰りて貞徳の門人となりて世に
09
(版).しらる功名の後・此・一村判詞の料を請すと云
(海).しらる功名のゝち此・一村判詞の料を請すと云
(京).しらる功名のゝち此・一村判詞の料を請すと云
(山).しらる功名の後・此・一村判詞の料を請すと云
(逸).しらる功名のゝちこの一村判詞の料を受すと云 [受]
10
(版).今更・むかし語・・とハなりぬ
(海).今更・むかしかたりとハなりぬ
(京).今更・むかしかたりとハなりぬ
(山).今更・むかし語・・とハなりぬ
(逸).今さらむかしかたりとハなりぬ 前行の[受]と[更]が似ているため[さら]としたか?
11
(版).曽良ハ腹を病て伊勢の国・長嶋と云・所・・に
(海).曽良ハ腹を病て伊勢の國・長嶋と云・ところに
(京).曽良ハ腹を病て伊勢の国・長嶌と云・所・・に
(山).曽良ハ腹を病て伊勢の国・長嶋と云・所・・に
(逸).曽良ハ腹を病ていせのくに長嶋といふところに
12
(版).ゆかりあれは先立・て行に
(海).ゆかりあれは先立・て行に
(京).ゆかりあれハ先立・て行に
(山).ゆかりあれハ先立・て行に
(逸).ゆかりあれは先たちて行に
13
(版). 行/\てたふれ伏・とも萩の原 曽良
(海). 行/\てたふれ伏・とも萩の原 曽良
(京). 行/\てたふれ伏・とも萩の原 曽良
(山). 行/\てたふれ伏・とも萩の原 曽良
(逸). 行/\てたふれふすとも萩の原 曽良
14
(版).と書置たり行・ものゝ悲・しミ残・・ものゝうらみ 45b.01(残ものゝ)
(海).と書置たりゆくものゝ悲・しミ残・るものゝうらみ
(京).と書置たり行・ものゝ悲・しミのこるものゝうらみ
(山).と書置たり行・ものゝ悲・しミ残・・ものゝうらみ
(逸).と書置たり行・ものゝかなしみのこるものゝうらみ
15
(版).隻鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又
(海).隻鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又
(京).隻鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又 [わかれて][か]判読難
(山).隻鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又
(逸).雙鳬のわかれて雲にまよふかことし予も又 柿衛73.08(雙鳬)
16
(版). 今日よりや書付消さん笠の露
(海). けふよりや書付消・ん笠の露
(京). けふよりや書付消・ん笠の露
(山). けふよりや書付消・ん笠の露
(逸). けふよりや書付消さむ笠の露
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おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01