02.かハれは時移り代変して其跡たしかならぬ
03.事のミを爰に至りて疑なき千歳の記念
04.今眼前に古人の心を閲す行脚の一徳存命
05.の悦ひ羇旅の労をわすれて泪も落る計也
(壷碑の絵)
西
多賀城 去京一千五百里
去蝦夷國界一百廿里
去常陸國界四百十二里
去下野國界二百七十四里
去靺鞨国界三千里
此城神龜元年歳次甲子按察使兼鎮守将
軍従四位上勲四等大野朝臣東人之所置
也天平寶字六年歳次壬寅參議東海東山 [壬寅][壬][士]に見える
節度使従四位上仁部省郷兼按察使鎮守
将軍藤原恵美朝臣朝獦修造也
天平寶字六年十二月一日
06.それより野田の玉川沖の石を尋ぬ末の松山ハ
07.寺を造て末松山といふ松のあひ/\皆墓ハら
08.にてはねをかハし枝をつらぬる契の末も終ハ
09.かくのこときと悲しさもまさりて塩かまの浦に
10.入相のかねを聞五月雨の空いさゝか晴て夕月夜
11.幽に籬かしまもほとちかし蜑の小舟こきつれて
12.肴わかつ聲/\につなてかなしもとよミけむ
13.こゝろもしられていとゝあハれ也其夜目盲
14.法師の琵琶をならして奥上るりと云ものを
---------------------------------------------------------
略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).たまり石ハ埋・て土にかくれ木ハ老て若木に 20a.04
(海).たまり石ハ埋・て土にかくれ木ハ老て若木に
(京).たまり石ハ埋・て土にかくれ木ハ老て若木に
(山).たまり石ハ埋れて土にかくれ木ハ老て若木に
(逸).たまり石ハ埋・て土にかくれ木ハ老て若木に
02
(版).かハれは時移・り代変して其・跡たしかならぬ
(海).かハれは時うつり代変して其・跡たしかならぬ
(京).かハれは時移・り代変して其・跡たしかならぬ
(山).かハれは時移・り代変してその跡たしかならぬ
(逸).かハれは時うつり代変して其・跡たしかならぬ
03
(版).事のミを爰・に至・りて疑・・・なき千歳の記念・
(海).事のミを爰・に至・りて疑・・・なき千歳の記念・
(京).事のミを爰・に至・りて疑・・・なき千歳の記念・
(山).事のミをこゝにいたりて疑・・・なき千歳の記念・
(逸).事のミをこゝに至・りてうたかひなき千歳のかたみ
04
(版).今眼前に古人の心・・を閲す行脚の一徳存命 02b
(海).今眼前に古人のこゝろを閲す行脚の一徳存命
(京).今眼前に古人の心・・を閲す行脚の一徳存命
(山).今眼前に古人の心・・を閲す行脚の一徳存命
(逸).今眼前に古人の心・・を閲す行脚の一徳存命
05
(版).の悦・・ひ羇旅の労をわすれて泪・・も落・るはかり也・
(海).のよろこひ羇旅の労をわすれて泪・・もおつるはかりなり
(京).の悦・・ひ羇旅の労をわすれて泪・・も落・る計・・也・
(山).の悦・・ひ羇旅の労をわすれて泪・・も落・るはかり也・
(逸).の悦・・ひ羇旅の労をわすれてなみたも落・るはかり也・
(壷碑の図) [(山)にはこの図はない]
(海).・・・・・・・・・・・・・
(京).・・・・・・・・・・・・・
(逸).石高六尺五分 幅三尺四寸
(海).・
(京).西
(逸).西
01
(海).多賀城 去京一千五百里
(京).多賀城 去京一千五百里
(逸).多賀城 去京一千五百里
02
(海). 去蝦夷國界一百廿里
(京). 去蝦夷國界一百廿里
(逸). 去蝦夷國界一百廿里
03
(海). 去常陸国界四百十二里
(京). 去常陸國界四百十二里
(逸). 去常陸国界四百十二里
04
(海). 去下野國界二百七十四里
(京). 去下野國界二百七十四里
(逸). 去下野國界二百七十四里
05
(海). 去靺鞨国界三千里
(京). 去靺鞨国界三千里
(逸). 去靺鞨國界三千里
06
(海).此城神龜元年歳次甲子按察使兼鎮守将
(京).此城神龜元年歳次甲子按察使兼鎮守将
(逸).此城神亀元年歳次甲子按察使兼鎮守將
07
(海).軍從四位上勲四等大野朝臣東人之所置
(京).軍従四位上勲四等大野朝臣東人之所置
(逸).軍從四位上勲四等大野朝臣東人之所置
08
(海).也天平寶字六年歳次壬寅参議東海東山
(京).也天平寶字六年歳次壬寅參議東海東山 [壬寅][壬][士]に見える
(逸).也天平寶字六年歳次壬寅参議東海東山
09
(海).節度使從四位上仁部省郷兼按察使鎮守
(京).節度使従四位上仁部省郷兼按察使鎮守
(逸).節度使從四位上仁部省郷兼按察使鎮守
10
(海).将軍藤原恵美朝臣朝獦修造也
(京).将軍藤原恵美朝臣朝獦修造也
(逸).將軍藤原恵美朝臣朝獦修造也
11
(海). 天平寶字六年十二月一日
(京). 天平寶字六年十二月一日
(逸). 天平寶字六年十二月一日
(逸).日本風土記曰陸奥國宮城郡坪碑在鴻之池
(逸).為故鎮守府門碑恵美朝獦立之見雲真人
(逸).清書也記異域本邦之行程令旅人不為迷途
(逸). みちのくのいはてしのふハえそしらぬ書つくしてよつほの碑 右大将 源頼朝
(逸). 陸奥ハおくゆかしくそおもほゆるつほのいしふミそとのはま風 西行
(逸).多賀城事始見續日本記聖武皇帝天平九年
(逸).夏四月記
(逸).神亀元年甲子廼聖武帝元年至安永八年巳亥
(逸).千七十五年
(逸).天平寶字六年壬寅廼廢帝四年至安永八年 [寅廼]墨で消えている
(逸).巳亥千三十七年
06
(版).それより野田の玉川沖の石を尋・ぬ末の松山・ハ
(海).それより野田の玉川沖の石をたつぬ末の松やまハ
(京).それより野田の玉川沖の石を尋・ぬ末の松山・ハ
(山).それより野田の玉河沖の石を尋・ぬ末の松山・ハ
(逸).それより野田の玉河沖の石を尋・ぬ末の松山・ハ
07
(版).寺を造・て末松山といふ松のあひ/\皆・墓ハら
(海).寺を造・て末松山と云・松のあひ/\皆・墓ハら
(京).寺を造・て末松山といふ松のあひ/\皆・墓ハら
(山).寺を造りて末松山といふ松のあひ/\皆・墓ハら
(逸).寺を造・て末松山といふ松のあひ/\みな墓ハら
08
(版).にてはねをかハし枝をつらぬる契・・の末も終・ハ
(海).にてはねをかハし枝をつらぬるちきりの末も終・ハ [ちきり][き(機)]判読難 07.[こきつれて]参照
(京).にてはねをかハし枝をつらぬる契・・の末も終・ハ
(山).にてはねをかハし枝をつらぬる契・・の末も終・ハ
(逸).にて羽ねをかハし枝をつらぬる契・・の末も終にハ
09
(版).かくのこときと悲・しさも増・りて塩かまの浦に 21a
(海).かくのこときと悲・しさもまさりて塩かまの浦に
(京).かくのこときと悲・しさもまさりて塩かまの浦に
(山).かくのこときとかなしさもまさりて塩かまの浦に
(逸).かくのこときと悲・しさもまさりて塩竃・の浦に
10
(版).入相のかねを聞五月雨・の空聊・・・はれて夕月夜
(海).入相のかねを聞五月雨・の空いさゝか晴・て夕月夜
(京).入相のかねを聞五月雨・の空いさゝか晴・て夕月夜
(山).入相のかねを聞さミたれの空いさゝか晴・て夕月夜
(逸).入相・・・を聞五月雨・の空いさゝか晴・て夕月夜
11
(版).幽・・に籬か嶋・もほと近・し蜑の小舟こきつれて
(海).幽・・に籬か嶋・もほとちかし蜑の小舟こきつれて
(京).幽・・に籬かしまもほとちかし蜑の小舟こきつれて
(山).かすかに籬か嶋・もほとちかし蜑の小舟こきつれて
(逸).幽・・に籬か嶋・もほと近・し蜑の小舟こきつれて
12
(版).肴わかつ聲/\につなてかなしもとよみけん
(海).肴わかつ聲/\につなてかなしもとよミけむ
(京).肴わかつ聲/\につなてかなしもとよミけむ
(山).肴わかつ聲々・につなてかなしもとよミけむ
(逸).肴わかつ声々・につなてかなしもとよみけむ
13
(版).心・・もしられていとゝ哀・・也・其夜目盲
(海).心・・もしられていとゝあはれ也・其夜目盲
(京).こゝろもしられていとゝあハれ也・其夜目盲
(山).こゝろもしられていとゝあハれなり・・目盲
(逸).こゝろもしら・ていとゝあハれ也・其夜目盲
14
(版).法師の琵琶をならして奥上るりと云・ものを
(海).法師の琵琶をならして奥上るりといふものを
(京).法師の琵琶をならして奥上るりと云・ものを
(山).法師の琵琶をならして奥上るりと云・ものを
(逸).法師の琵琶をならして奥上留りと云・物・を
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