おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 15
01.加ふるものハ無用の指を立るかことし
02.丸岡天龍寺の長老古き因あれは
03.尋ぬ又金澤の北枝といふものかりそめに
04.見送りて此ところまてしたひ来る所々の
05.風景過さすおもひつゝけておりふし
06.あハれなる作意なと聞ゆ今既別にのそミて
07. 物書て扇引さく余波かな
08.五十丁山に入て永平寺を禮す道元
09.禅師の御寺也ほうき千里を避てかゝる
10.山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへ有とかや
11.福井ハ三里はかりなれは夕飯したゝめて
12.出るにたそかれの路たと/\しこゝに等栽と
13.いふ古き隠士有いつれの年にか江戸に来りて
14.予を尋ぬ遥十とせ余りなりいかに老
15.さらほひて有にや将死けるにやと人に尋
16.侍れはいまた存命してそこ/\と教ゆ市中
17.ひそかに引入てあやしの小家に夕㒵
18.へちまのはえかゝりて雞頭はゝ木ゝに
19.とほそをかくすさてハこのうちにこそ
20.と門をたゝけはわひしけなる女の出ていつく
21.よりわたり給ふ道心の御坊にやあるしハ
22.此あたり何かしといふものゝ方に行ぬもし用
---------------------------------------------------------
略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).加・るものハ無用の指を立るかことし 47a 柿衛75.10(くはふるものは)
(海).加ふ・ものハ無用の指を立るかことし [加ふものハ][も]判読難
(京).加ふるものハ無用の指を立るかことし
(山).加ふるものハ無用の指を立るかことし
(逸).加ふるものハ無用の指を立るかことし
02
(版).丸岡天龍寺の長老古き因あれは
(海).丸岡天竜寺の長老古き因あれは
(京).丸岡天龍寺の長老古き因あれは
(山).丸岡天龍寺の長老古き因あれは
(逸).丸岡天龍寺の長老古き因あれは
03
(版).尋ぬ又金沢の北枝といふものかりそめに
(海).尋ぬ又金沢の北枝といふものかりそめに
(京).尋ぬ又金澤の北枝といふものかりそめに
(山).尋ぬ又金沢の北枝といふものかりそめに
(逸).尋ぬ又金沢の北枝といふものかりそめに
04
(版).見送りて此處・・まてしたひ来る所々の
(海).見送りて此處・・まてしたひ来る所々の
(京).見送りて此ところまてしたひ来る所々の
(山).見送りて此所・・まてしたひ来る所々の
(逸).見送りて此ところまてしたひ来る所々の
05
(版).風景過さす思・ひつゝけて折・節・
(海).風景過さすおもひつゝけて折・ふし
(京).風景過さすおもひつゝけておりふし
(山).風景過さすおもひつゝけて折・ふし
(逸).風景過さすおもひつゝけて折・ふし
06
(版).あはれなる作意なと聞ゆ今既別に望・みて 47b.01(聞ゆ)
(海).あはれなる作意なと聞ゆ今既別にのそミて
(京).あハれなる作意なと聞ゆ今既別にのそミて
(山).あはれなる作意なと聞ゆ今既別にのそミて
(逸).あハれなる作意なと聞ゆ今既別にのそみて
07
(版). 物書て扇引さく余波・哉・
(海). 物書て扇引さく余波・哉・
(京). 物書て扇引さく余波・かな
(山). 物書て扇引さく余波・かな
(逸). 物書て扇引さくなこりかな
08
(版).五十丁山に入て永平寺を礼す道元
(海).五十丁山に入て永平寺を礼す道元
(京).五十丁山に入て永平寺を禮す道元
(山).五十丁山に入て永平寺を礼す道元
(逸).五十丁山に入て永平寺を礼す道元
09
(版).禅師の御寺也邦・機千里を避てかゝる 柿衛77.01(邦畿)
(海).禅師の御寺也邦・畿千里を避てかゝる
(京).禅師の御寺也ほうき千里を避てかゝる
(山).禅師の御寺也邦・畿千里を避て・・・
(逸).禅師の御寺也邦・畿千里を避てかゝる
10
(版).山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへ有・とかや
(海).山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへありとかや
(京).山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへ有・とかや
(山).山陰に跡をのこし給ふも貴きゆへ有・とかや
(逸).山陰に跡をのこし給ふも尊きゆへ有・とかや
11
(版).福井ハ三里計・・なれは夕飯したゝめて 48a.01(したゝめて)
(海).福井ハ三里計・・なれは夕飯したゝめて
(京).福井ハ三里はかりなれは夕飯したゝめて
(山).福井ハ三里計・・なれは夕飯したゝめて
(逸).福井ハ三里はかりなれは夕飯したゝめて
12
(版).出るにたそかれの路たと/\し爰・に等栽と
(海).出るにたそかれの路たと/\しこゝに等栽と
(京).出るにたそかれの路たと/\しこゝに等栽と
(山).出るにたそかれの路たと/\しこゝに等栽と
(逸).出るにたそかれの路たと/\しこゝに等栽と
13
(版).云・古き隠士有いつれの年・にか江戸に来りて
(海).云・古き隠士有いつれの年・にか江戸に来りて
(京).いふ古き隠士有いつれの年・にか江戸に来りて
(山).云・古き隠士有いつれの年・にか江戸に来りて
(逸).云・古き隠士有いつれのとしにか江戸に来りて
14
(版).予を尋・遥・・十とせ餘り也・いかに老
(海).予を尋・遥・・十とせ餘り也・いかに老
(京).予を尋ぬ遥・・十とせ余りなりいかに老
(山).予を尋・遥・・十とせ余り也・いかに老
(逸).予を尋・はるか十とせ餘り也・いかに老
15
(版).さらほひて有にや将・死けるにやと人に尋・・
(海).さらほひて有にやはた死けるにやと人に尋・・
(京).さらほひて有にや将・死けるにやと人に尋・・
(山).さらほひて有にやはた死けるにやと人に尋・・
(逸).さらほひて有にやはた死けるにやと人にたつね
16
(版).侍れはいまた存命してそこ/\と教・ゆ市中
(海).侍れハいまた存命してそこ/\と教・ゆ市中
(京).侍れはいまた存命してそこ/\と教・ゆ市中
(山).侍れはいまた存命してそこ/\と教・ゆ市中
(逸).侍れはいまた存命してそこ/\とおしゆ市中
17
(版).ひそかに引入てあやしの小家に夕㒵・ 48b.01(引入て)
(海).ひそかに引入てあやしの小家に夕かほ
(京).ひそかに引入てあやしの小家に夕㒵・
(山).ひそかに引入てあやしの小家に夕㒵・
(逸).ひそかに引入てあやしの小家に夕かほ
18
(版).へちまのはえかゝりて鶏頭はゝ木ゝに
(海).へちまのはえかゝりて雞頭はゝ木ゝに
(京).へちまのはえかゝりて雞頭はゝ木ゝに
(山).へちまのはえかゝりて鶏頭はゝ木ゝに
(逸).へちまのはえかゝりて雞頭はゝ木ゝに
19
(版).戸ほそをかくすさてハ此・うちにこそ
(海).戸ほそをかくす扨・ハ此・うちにこそ 柿衛78.05(扨は)
(京).とほそをかくすさてハこのうちにこそ
(山).戸ほそをかくすさてハ此・うちにこそ
(逸).戸ほそをかくすさて・此・うちにこそ
20
(版).と門を扣・・は侘・しけなる女の出ていつく
(海).と門をたゝけは侘・し氣なる女の出ていつく
(京).と門をたゝけはわひしけなる女の出ていつく
(山).と門を扣・・は侘・しけなる女の出ていつく
(逸).と門をたゝけは侘・しけなる女の出ていつく
21
(版).よりわたり・給ふ道心の御坊にやあるしハ
(海).よりわたり・給ふ道心の御坊にやあるしハ
(京).よりわたり・給ふ道心の御坊にやあるしハ
(山).よりわたらせ給ふ道心の御坊にやあるしハ
(逸).よりわたり・給ふ道心の御坊にやあるしハ
22
(版).此あたり何かしと云・ものゝ方・に行ぬもし用
(海).此あたり何かしと云・ものゝ方・に行ぬもし用
(京).此あたり何かしといふものゝ方・に行ぬもし用
(山).此あたり何かしといふものゝ方・に行ぬもし用
(逸).此あたり何かしと云・物・のかたに行ぬもし用 [何かしと云物の][何かしの][と云物]右に挿入
次のページ.下16-17.
前のページ.下14.
登録:
投稿 (Atom)
与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01