与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 18

与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 18

01.名月ハつるかのみなとにと旅たつ
02.等栽もともに送んと裾おかしうからけて
03.路の枝折とうかれ立漸白根か嶽かくれて
04.比那か嶌あらハるあさむつのはしをわたりて
05.玉江の蘆ハ穂に出にけり鶯の関を過て
06.湯尾峠を越れは燧か城かへる山に初厂 西[初鴈]
07.を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
08.もとむその夜月ことに晴たりあすの夜も
09.かくあるへきにやといへは越路のならひ
10.猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
11.酒すゝめられてけいの明神に夜参す
12.仲哀天皇の御廟也社頭かミさひて
13.松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
14.霜をしけるかことし往昔遊行二世の
15.上人大願発起の事ありてミつから
16.草を刈土石を荷ひ泥渟をかはかせて
17.参詣往来の煩なし古例今にたえす
18.神前にまさこを荷ひ給ふこれを
19.遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
20.  月清し遊行のもてる砂の上
21.十五日亭主の詞にたかはす雨降
22.  名月や北国日和さためなき

注:
04(比那か) (嶌)は(嵩)の誤り。 版49b.01(比那か嵩)

06(初) 版49b.06(初) 柿衛80.01(初)

11(けの明神) (い)判読難(ひ)にも見える。 
版50a.04(けの明神) 早大32a.10(けの明神)
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略語記号: 
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵

版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)

01
(版).名月ハつるかのみなとにとたひ立・ 49a.05(名月ハ)
(海).名月ハつるかのみなとにとたひ立・
(京).名月ハつるかのみなとにと旅・たつ
(山).名月ハつるかのなとにと旅・立・
(逸).名月ハつるかのみなとにとたひたつ
02
(版).等栽も共・に送らんと裾おかしうからけて
(海).等栽もともに送らんと裾おかしうからけて
(京).等栽もともに送んと裾おかしうからけて
(山).等栽も共・に送らんと裾おかしうからけて [からけて][ら]判読難
(逸).等栽もともに送らんと裾おかしうからけて
03
(版).路の枝折とうかれ立・漸白根か嶽かくれて 49b.01(かくれて)
(海).路の枝折とうかれ立・漸白根か嶽かくれて
(京).路の枝折とうかれ立・漸白根か嶽かくれて
(山).路の枝折とうかれ立・漸白根か嶽かくれて
(逸).路の枝折とうかれたつ漸白根か嶽かくれて
04
(版).比那か嵩あらハるあさむつの橋・をわたりて
(海).比那かあらハるあさむつの橋・をわたりて
(京).比那かあらハるあさむつのはしをわたりて
(山).比那かあらハるあさむつの橋・をわたりて
(逸).比那か嵩あらハるあさむつのはしをわたりて
05
(版).玉江の蘆・ハ穂に出にけり鶯・・・の関を過て
(海).玉江の蘆・ハ穂に出にけり鶯・・・の関を過て
(京).玉江の蘆・ハ穂に出にけり鶯・・・の関を過て
(山).玉江の蘆・ハ穂に出にけり鴬・・・の関を過て
(逸).玉江のあしハ穂に出にけりうくひすの関を過て
06
(版).湯尾峠を越・れは燧・・か城かへるやまに初鴈
(海).湯尾峠を越れは燧・・か城かへるやまに初鴈
(京).湯尾峠を越・れは燧・・か城かへる山・に初 柿衛80.01(初厂)
(山).湯尾峠を越・れは燧・・か城かへる山・に初鴈
(逸).湯尾峠をこゆれはひうちか城かへる山・に初鴈
07
(版).を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
(海).を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
(京).を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
(山).を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
(逸).を聞て十四日の夕くれつるかの津に宿を
08
(版).もとむその夜月殊・・晴たりあすの夜も 50a.01(あすの夜も)
(海).もとむその夜月ことに晴たりあすの夜も [その夜][そ]判読難
(京).もとむその夜月ことに晴たりあすの夜も
(山).もとむその夜月殊・・晴たりあすの夜も
(逸).求・むその夜月ことに晴たりあすの夜も 求(モト)ルビ有り
09
(版).かくあるへきにやといへは越路の習・ひ
(海).かく有・へきにやといへは越路のなら
(京).かくあるへきにやといへは越路のなら
(山).かくあるへきにやといへは越路のなら
(逸).かく有・へきにやといへは越路のなら
10
(版).猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
(海).猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
(京).猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
(山).猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
(逸).猶明夜の陰晴はかりかたしとあるしに
11
(版).酒すゝめられてけいの明神に夜参す
(海).酒すゝめられてけいの明神に夜参す
(京).酒すゝめられてけいの明神に夜参す [けい][い]判読難 早大32a.10(けひの明神)
(山).酒すゝめられてけいの明神に夜参す
(逸).酒すゝめられてけいの明神に夜参す
12
(版).仲哀天皇の御廟也社頭神・さひて
(海).仲哀天皇の御廟也社頭神・さひて
(京).仲哀天皇の御廟也社頭かミさひて
(山).仲哀天皇の御廟也社頭かみさひて
(逸).仲哀天皇の御廟也社頭神・さひて
13
(版).松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
(海).松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
(京).松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
(山).松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
(逸).松の木の間に月のもり入たるおまへの白砂
14
(版).霜を敷・るかことし往昔遊行二世の 50b.01(往昔遊行二世の)
(海).霜を敷・るかことし往昔遊行二世の
(京).霜をしけるかことし往昔遊行二世の
(山).霜を敷・るかことし往昔遊行二世の
(逸).霜をしけるかことし往昔遊行二世の
15
(版).上人大願發起の事ありてミつから
(海).上人大願起の事有・てミつから
(京).上人大願起の事ありてミつから
(山).上人大願起の事有・てミつから
(逸).上人大願發起の事有・つから
16
(版).草を刈土石を荷ひ泥渟をかはかせて
(海).草を刈土石を荷ひ泥をかかせて
(京).草を刈土石を荷ひ泥渟をかはかせて
(山).草を刈土石を荷ひ泥渟をかはかせて
(逸).草を刈土石を荷ひ泥をかかせて
17
(版).参詣往来の煩・・なし古例今にたえす
(海).参詣往来の煩・・なし古例今にたえす
(京).参詣往来の煩・・なし古例今にたえす
(山).参詣往来の煩・・なし古例今にたえす
(逸).参詣往来の煩らひなし古例今にたえす
18
(版).神前に真・砂を荷ひ給ふこれを
(海).神前に真・砂を荷ひ給ふこれを
(京).神前にまさこを荷ひ給ふこれを
(山).神前に真・砂を荷ひ給ふ是・を 昔安26b.01(是を)
(逸).神前に真・砂を荷ひ給ふこれを
19
(版).遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
(海).遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
(京).遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
(山).遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
(逸).遊行の砂持と申侍ると亭主のかたりける
20
(版).  月清し遊行のもてる砂の上 51a.01
(海).  月清し遊行のもてる砂の上
(京).  月清し遊行のもてる砂の上
(山).  月清し遊行のもてる砂の上
(逸).  月清し遊行のもてる砂の上
21
(版).十五日亭主の詞・・にたかはす雨降
(海).十五日亭主のことはにたかはす雨降
(京).十五日亭主の詞・・にたかはす雨降
(山).十五日亭主の詞・・にたかはす雨降
(逸).十五日亭主のことはにたかす雨降 
22
(版).  名月や北国日和定・・なき
(海).  名月や北国日和定・めなき
(京).  名月や北国日和さためなき
(山).  名月や北国日和定・・なき
(逸).  名月や北日和さためなき

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与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
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表紙 000 
1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004 
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01
19.宮城野 035.02 036 037.04
20.壺の碑 037.05 038 039 040.03
21.末の松山 040.04 041 042.04
22.塩竈 042.04 043 044.04
23.松島 044.05 045 046 047 048 049.05
24.石巻 049.06 050 051.07
25.平泉 051.08 052
053 054 055.01
26.尿前の関 055.02 056 057 058 059.01
27.尾花沢 059.02 060.03
28.立石寺 060.04 061
29.最上川 062