おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 上巻 13
01.等窮か宅を出て五里計桧皮の宿を
02.はなれてあさか山有路より近し此あたり
03.沼多しかつミ刈比もやゝ近うなれハいつれの
04.草を花かつみとハ云そと人に尋侍れとも
05.更にしる人なし沼を尋人にとひかつミ/\と
06.たつねありきて日ハ山の端にかゝりぬ
07.二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
08.ふくしまにやとるあくれはしのふもち摺の石を
09.尋てしのふの里に行遥山陰の小里に石半
10.土に埋てあり里の童阝の来て教ける
11.昔ハ此山のうへに侍りしを往来の人の麦
12.草をあらして此石を試ミ侍をにくみて
13.此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
14.云さも有へきにや
15. 早苗とる手もとやむかししのふ摺
16.月の輪のわたしを越て瀬の上と云宿に
17.出つ佐藤庄司か旧跡ハ左の山際一里計に有
18.飯塚の里鯖野と聞て尋/\行ぬ丸山と云に
19.尋あたる是庄司か旧舘也梺に大手のあとなと
20.人の教るにまかせて泪を落し又かたハら
21.の古寺に一家の石碑をのこす中にも二人の
22.嫁かしるし先あハれなり女なれともかひ/\しき
23.名の世に聞えつるものかなと袂をぬらしぬ堕涙
注:
04(人に) 版本など(人々に) 奥細道通解(人に)
14(有へきにや) 版本など(あるへき事にや)
17(一里計) 版本など(一里半計) 柿衛本(一里計)
18(行ぬ) 版本など(行に)
23(堕涙) 版本など(墜涙) 奥細道通解(堕涙)
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).等窮か宅を出て五里計・・桧皮の宿を 13a.06
(海).等窮か宅を出て五里計・・桧皮の宿を
(京).等窮か宅を出て五里計・・桧皮の宿を
(山).等窮か宅を出て五里計・・檜皮の宿を
(逸).等窮か宅を出て五里はかり桧皮の宿を
02
(版).離・れてあさか山有路より近し此あたり
(海).離・れてあさか山有路より近し此あたり
(京).はなれてあさか山有路より近し此あたり
(山).離・れてあさか山有路より近し此あたり
(逸).離・れてあさか山有路より近し此あたり
03
(版).沼多しかつミ刈比もやゝ近うなれハいつれの
(海).沼多しかつミ刈比もやゝ近うなれハいつれの
(京).沼多しかつミ刈比もやゝ近うなれハいつれの
(山).沼多しかつみ刈比もやゝ近うなれはいつれの
(逸).沼多しかつミ刈比もやゝ近うなれハいつれの
04
(版).草を花かつミとは云そと人々に尋侍れとも 13b
(海).草を花かつミとは云そと人々に尋侍れとも
(京).草を花かつみとハ云そと人・に尋侍れとも
(山).草を花かつみとハ云そと人・に尋侍れとも
(逸).草を花かつみとは云そと人々に尋・れとも
05
(版).更・知・人なし沼を尋人にとひ・かつミ/\と
(海).更・知・人なし沼を尋人にとひ・かつみ/\と
(京).更にしる人なし沼を尋人にとひ・かつミ/\と
(山).更・知・人なし沼を尋人にとひ・かつみ/\と
(逸).更・知・人なし沼を尋人にとひてかつみ/\と
06
(版).尋・・ありきて日は山の端にかゝりぬ
(海).尋・・ありきて日ハ山の端にかゝりぬ
(京).たつねありきて日ハ山の端にかゝりぬ
(山).尋・・ありきて日ハ山の端にかゝりぬ
(逸).尋・・ありきて日ハ山の端にかゝりぬ
07
(版).二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
(海).二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
(京).二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
(山).二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
(逸).二本松より右にきれて黒塚の岩屋一見し
08
(版).福・嶋・に宿・るあくれハしのふもち摺の石を
(海).福・嶋・にやとるあくれハしのふもち摺の石を
(京).ふくしまにやとるあくれはしのふもち摺の石を
(山).福・嶋・に宿・るあくれハしのふもち摺の石を
(逸).福・しまにやとるあくれハしのふもち摺の石を
09
(版).尋て忍・ふのさとに行遥山陰・の小里に石半
(海).尋てしのふの里・に行遥山陰・の小里に石半
(京).尋てしのふの里・に行遥山陰・の小里に石半
(山).尋てしのふの里・に行遥山かけの小里に石半
(逸).尋てしのふの里・に行遥山陰・の小里に石半
10
(版).土に埋てあり里の童阝の来りて教ける 14a
(海).土に埋てあり里の童阝の来りて教ける
(京).土に埋てあり里の童阝の来・て教ける
(山).土に埋てあり里の童阝の来りて教ける
(逸).土に埋てあり里の童阝の来りて教ける
11
(版).昔ハ此山の上・に侍・しを往来の人の麦
(海).昔ハ此山のうへに侍りしを往来の人の麦
(京).昔ハ此山のうへに侍りしを往来の人の麦
(山).昔ハ此山の上・に侍・しを往来の人の麦
(逸).昔ハ此山の上・に侍・しを往来の人の麦
12
(版).草をあらして此石を試・侍・をにくみて
(海).艸をあらして此石を試・侍・をにくみて
(京).草をあらして此石を試ミ侍・をにくみて
(山).草をあらして此石を試・侍・をにくみて
(逸).艸をあらして此石を試・侍るをにくみて
13
(版).此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
(海).此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
(京).此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
(山).此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
(逸).此谷につき落せハ石の面下さまにふしたりと
14
(版).云さもあるへき事・にや
(海).云さも有・へき事・にや
(京).云さも有・へき・・にや
(山).云さもあるへき事・にや
(逸).云さも有・へきことにや
15
(版). 早苗とる手もとや昔・・しのふ摺
(海). 早苗とる手もとや昔・・しのふ摺
(京). 早苗とる手もとやむかししのふ摺
(山). 早苗とる手もとやむかししのふ摺
(逸). 早苗とる手もとや昔・・しのふ摺
16
(版).月の輪のわたしを越て瀬の上と云宿に 14b
(海).月の輪のわたしを越て瀬の上と云宿に
(京).月の輪のわたしを越て瀬の上と云宿に
(山).月の輪のわたしを越て瀬の上と・宿に
(逸).月の輪のわたしを越て瀬の上と云宿に
17
(版).出つ佐藤庄司か旧跡は左の山際一里半計に有
(海).出つ佐藤庄司か旧跡ハ左の山際一里・計に有
(京).出つ佐藤庄司か旧跡ハ左の山際一里・計に有
(山).出つ佐藤庄司か旧跡ハ左の山際一里・計に有
(逸).出つ佐藤庄司か旧跡ハ左の山際一里・計に有
18
(版).飯塚の里鯖野と聞て尋/\行に丸山と云・に
(海).飯塚の里鯖野と聞て尋/\行に丸山と云・に
(京).飯塚の里鯖野と聞て尋/\行ぬ丸山と云・に [行ぬ]
(山).飯塚の里鯖野と聞て尋/\行に丸山といふに
(逸).飯塚の里鯖野と聞て尋/\行に丸山と云・に
19
(版).尋あたる是庄司か旧館也梺に大手の跡・なと
(海).尋あたる是庄司か旧舘也梺に大手の跡・なと
(京).尋あたる是庄司か旧舘也梺に大手のあとなと
(山).尋あたる是庄司か旧舘也梺に大手の跡・なと
(逸).尋あたる是庄司か旧舘也梺に大手の跡・なと
20
(版).人の教ゆるにまかせて泪を落し又かたハら
(海).人の教ゆるにまかせて泪を落し又かたハら
(京).人の教・るにまかせて泪を落し又かたハら
(山).人の教・・にまかせて泪を落し又かたハら
(逸).人の教・・にまかせて泪を落し又かたハら
21
(版).の古寺に一家の石碑を残・す中にも二人の
(海).の古寺に一家の石碑をのこす中にも二人の
(京).の古寺に一家の石碑をのこす中にも二人の
(山).の古寺に一家の石碑をのこす中にも二人の
(逸).の古寺に一家の石碑を残・す中にも二人の
22
(版).嫁かしるし先哀・・也・女なれともかひ/\しき 15a
(海).嫁かしるし先あハれなり女なれともかひ/\しき
(京).嫁かしるし先あハれなり女なれともかひ/\しき
(山).嫁かしるし先あハれ也・女なれともかひ/\しき
(逸).嫁かしるし先あハれ也・女なれともかひ/\しく
23
(版).名の世に聞えつる物・かなと袂・・をぬらしぬ墜涙
(海).名の世に聞・つるものかなと袂・・をぬらしぬ堕涙
(京).名の世に聞えつるものかなと袂・・をぬらしぬ堕涙 [西[墜涙]
(山).名の世に聞へつる物・かなとたもとをぬらしぬ堕涙 [聞へ]他と比較せよ
(逸).名の世に聞へつる物・かなとたもとをぬらしぬ堕涙 [聞へ]他と比較せよ
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与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01