2018年8月3日金曜日

奥の細道 版本の寸法 元禄版篇

図書館によっては、書誌情報に本の寸法が記されていることがあります。 また、本の表紙の脇には、寸法の基準となる定規が並べられていることがあります。 しかし書誌情報に記された寸法と、定規の寸法を比べてみると一致していないことがあるようです。 そこで、画像編集ソフトで定規の画像を移動させ、両者を実際に比べてみたいと思います。

02元禄A/ 早稲田大学[文庫31 A0150]

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早稲田大学書誌 16.7×14.2cm
定規の画像 16.9-17×14.5-14.6cm
引用サイト

・早稲田大学の書誌情報と定規の画像では、2mmから4mmのズレが生じている。
画像の歪みなどを考慮しても、誤差とできるのは±2mmくらいまでではないかと思われる。

・元禄版のおくのほそ道の跋文には、「此一書は、芭蕉翁奥羽の紀行にして、素竜が筆也。書の縦五寸五歩、横四寸七歩・・・・」とある。
5寸5歩=16.6667cm 4寸7歩=14.2424cm
四捨五入すると、16.7cm×14.2cmとなり、早稲田大学の書誌情報と一致する。

02元禄A/ 元禄版 おくのほそ道 雲英末雄 勉誠社

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元禄版 おくのほそ道 書誌 16.7×14.2cm
定規の測定 16.6×14.1cm

・勉誠社の書誌情報と定規の測定では、1mmのズレがあるが、これは誤差の範囲と言えるかもしれない。勉誠社の凡例には次のようにある。
凡例
一、本書は編者所蔵『おくのほそ道』の影印である。
一、原本の大きさ(表紙)は、縦16.7糎 横14.2糎であり、影印に際しては原寸大の寸法で示した。

・早稲田大学[文庫31 A0150] と勉誠社は同一の版本である。そして、両者の書誌情報の寸法は、16.7×14.2cmで一致している。しかし、早稲田大学の定規の画像の寸法は、16.9-17×14.5-14.6cmである。
 以上より、早稲田大学の定規が正しいならば、両者の書誌情報は間違っていることになる。そして、勉誠社の影印は原寸大ではなく、16.7×14.2mm に合わせて縮小して印刷されているということになる。


02元禄B/ 早稲田大学[ヘ05 04687] 

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早稲田大学書誌 19cm
定規の画像 18.6-18.7cm×14.2-14.3cm
引用サイト
・早稲田大学の書誌情報と定規の画像では、3-4mmのズレがある。


02元禄C/ 早稲田大学[ヘ05 01758]

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早稲田大学書誌 17cm
定規の画像 16.8cm×14.1cm
引用サイト
・早稲田大学の書誌情報と定規の画像は、2mmのズレがある。
・定規と本が平行になっていないが、この程度のズレならば、目視できる程の誤差は出ない。


02元禄K/ 国文学研究資料館[96-986] 

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国文学研究資料館書誌 16.5×14.3cm
定規の画像 16.8-16.9cm×14.6-14.7cm
引用サイト
・国文研の書誌情報と定規の画像では、3-4mmのズレがある。


02元禄KM/ 駒沢大学[沼/993ハ]

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駒沢大学書誌 16.5×13.1cm
定規の画像 16.5-16.6×14.1cm
引用サイト
・駒沢大学の書誌情報と定規の画像では、横が10mmのズレがある。定規の読み違いの可能性が高い。


02元禄SI/ 相愛大春曙

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書誌:なし
定規の画像 18.2cm×14cm
引用サイト

 
02元禄R/ 立命館大学
書誌:なし
定規の画像:なし
引用サイト


02元禄G1/ 慶應義塾図書館 GoogleBooks
書誌:なし
定規の画像:なし
引用サイト


02元禄G2/ 慶應義塾図書館 GoogleBooks
書誌:なし
定規の画像:なし
引用サイト


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2018.8.08更新
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