与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 上巻 11-12

与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 上巻 11
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 上巻 11

01.秋風を耳に残し紅葉を俤にして
02.青葉の梢猶あハれなりうの花の白妙に
03.茨の花の咲そひて雪にもこゆる心地そ
04.する古人冠を正し衣装も(を)改し [衣装も],[も]見せ消ち右に[を]
05.事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
06. 卯の花をかさしに関のはれ着哉 曽良
07.とかくして越行まゝにあふくま河をわたる
08.左に會津根高く右に岩城相馬三春
09.の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
10.かけ沼と云所を行にけふハ空曇りて
11.物影うつらすすか川の駅に等窮と
12.いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
13.の関いかにこえつるやと問長途のくるしみ
14.身心つかれ且は風景に魂うハゝれ
15.懐旧に腸をたちてはか/\しうおもひめくらさす
16. 風流のはしめやおくの田植うた
17.無下にこえんもさすかにとかたれは脇㐧三
18.とつけて三巻となしぬ
19.此宿のかたはらに大キなる栗の木陰を
20.たのミて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
21.かくやと閒に覚られてものに書付侍る其詞 [覚えれて]に見える
22. 栗といふ文字ハ西の木と書て西方
23. 浄土に便ありと行基菩薩の一生
24. 杖にも柱にも此木を用ひ給ふとかや
25. 世の人の見付ぬ花や軒の栗
 

注:
18.(つけて),   蕪村(山):(付て),()を消し右に(ツゝケテ)に訂正
蕪村以外では全て(つゝけて)

与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 上巻 12


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略語記号: 
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵

版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異字に関しては一つの目安とお考え下さい)

01
(版).秋風を耳に残し紅葉を俤にして  11a.07
(海).秋風を耳に残し紅葉を俤にして
(京).秋風を耳に残し紅葉を俤にして
(山).秋風を耳に残し紅葉を俤にして
(逸).秋風を耳に残し紅葉を俤にして
02
(版).青葉の梢猶・あはれ也・卯の花・の白妙に 11b
(海).青葉の梢猶・あはれ也・うのはなの白妙に
(京).青葉の梢猶・あなりうの花・の白妙に
(山).青葉の梢なをあはれ也・うの花・白妙に
(逸).青葉の梢なをれ也・うの花・の白妙に
03
(版).茨の花の咲そひて雪にもこゆる心・地そ
(海).茨の花の咲そひて雪にもこゆるこゝ地そ
(京).茨の花の咲そひて雪にもこゆる心・地そ
(山).茨の花の咲そひて雪にもこゆる心・地そ
(逸).茨の花の咲そひて雪にもこゆるこゝ地そ
04
(版).する古人冠を正し衣装を改・・・し
(海).する古人冠を正し衣装をあらため
(京).する古人冠を正し衣装を改・・・し [衣装も],[も]見せ消ち右に[を]
(山).する古人冠を正し衣装をあらため
(逸).する古人冠を正し衣装を改・・・し
05
(版).事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
(海).事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
(京).事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
(山).事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
(逸).事なと清輔の筆にもとゝめ置れしとそ
06
(版). 卯の花をかさしに関の晴・着かな  曽良
(海). うの花をかさしに関の晴・着哉・ 曽良
(京). 卯の花をかさしに関のはれ着哉・ 曽良
(山). 卯の花をかさしに関のはれ着かな 曽良
(逸). うの花をかさしに関のはれ着哉・ 曽良
07
(版).とかくして越行まゝにあふくま川を渡・る
(海).とかくして越行まゝにあふくまを渡・る
(京).とかくして越行まゝにあふくまわた
(山).とかくして越行まゝにあふくま川をわた
(逸).とかくして越行まゝにあふくま川をわた
08
(版).左に会津根高く右に岩城相馬三春 12a
(海).左に津根高く右に岩城相馬三春
(京).左に津根高く右に岩城相馬三春
(山).左に津根高く右に岩城相馬三春
(逸).左に津根高く右に岩城相馬三春
09
(版).の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
(海).の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
(京).の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
(山).の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
(逸).の庄常陸下野の地をさかひて山つらなる
10
(版).かけ沼と云・所・・を行に今日ハ空曇・て
(海).かけ沼といふところを行にけふハ空曇・て
(京).かけ沼と云・所・・を行にけふハ空曇
(山).かけ沼といふ所・・を行にけふハ空曇
(逸).かけ沼と云・所・・を行にけふハ空曇・て
11
(版).物影うつらすすか川の驛に等窮と
(海).物影うつらすすかに等窮と
(京).物影うつらすすか川のに等窮と
(山).物影うつらすすかの驛に等窮と
(逸).物影うつらすすか川のに等窮と
12
(版).いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
(海).いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
(京).いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
(山).いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
(逸).いふものを尋て四五日とゝめらる先白河
13
(版).の関いかにこえつるやと問長途のくるしみ
(海).の関いかにこえつるやと問長途のくるしみ
(京).の関いかにこえつるやと問長途のくるしみ
(山).の関いかにこえつるやと問長途のくるしみ
(逸).の関いかにこえつるやと問長途のくるし
14
(版).身心つかれ且ハ風景に魂うハゝれ
(海).身心つかれ且ハ風景に魂うハゝれ
(京).身心つかれ且は風景に魂うハゝれ
(山).身心つかれ且ハ風景に魂うハゝれ
(逸).身心つかれ且ハ風景に魂うハゝれ
15
(版).懐旧に腸を断・てはか/\しう思・ひめくらさす 12b
(海).懐旧に腸を断・てはか/\しうおもひめくらさす
(京).懐旧に腸をたちてはか/\しうおもひめくらさす
(山).懐旧に腸を断・てはか/\しうおもひめくらさす
(逸).懐旧に腸をたちてはか/\しうおもひめくらさす
16
(版). 風流の初・・やおくの田植うた
(海). 風流のはしめやおくの田植うた
(京). 風流のはしめやおくの田植うた
(山). 風流のはしめやおくの田植うた
(逸). 風流のはしめやおくの田植うた
17
(版).無下にこえんもさすかにと語・れは脇㐧三
(海).無下にこえんもさすかにと語・れは脇㐧三
(京).無下にこえんもさすかにとかたれは脇㐧三
(山).無下にこえんもさすかにとかたれは脇㐧三
(逸).無下にこえんもさすかにとかたれは脇㐧三
18
(版).とつゝけて三巻となしぬ
(海).とつゝけて三巻となしぬ
(京).とつけて三巻となしぬ
(山).とツゝケて三巻となしぬ [ツゝケて][て][付]消し右に[ツゝケ]添える
(逸).とつゝけて三巻となしぬ
19
(版).此宿の傍・・・に大きなる栗の木陰を
(海).此宿の傍・・・に大きなる栗の木陰を
(京).此宿のかたはらに大なる栗の木陰を
(山).此宿の傍・・・に大なる栗の木陰を
(逸).此宿のかたはらに大なる栗の木陰を
20
(版).たのミて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
(海).たのて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
(京).たのミて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
(山).たのて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
(逸).たのミて世をいとふ僧有橡ひろふ太山も
21
(版).かくやと閒に覚・られてものに書付侍る其詞
(海).かくやと閒に覚・られてものに書付侍る其詞
(京).かくやと閒に覚・られてものに書付侍る其詞 [覚えれて]に見える
(山).かくやと閒に覚・・れてものに書付侍る其詞
(逸).かくやと閒に覚られてものに書付侍る其詞
22
(版). 栗といふ文字ハ西の木と書て西方 13a
(海). 栗といふ文字ハ西の木と書て西方
(京). 栗といふ文字ハ西の木と書て西方
(山). 栗といふ文字ハ西の木と書て西方
(逸). 栗といふ文字ハ西の木と書て西方 (版)(海)(逸)は同じ行文字数
23
(版). 浄土に便ありと行基菩薩の一生
(海). 浄土に便ありと行基菩薩の一生
(京). 浄土に便ありと行基菩薩の一生
(山). 浄土に便ありと行基菩薩の一生
(逸). 浄土に便ありと行基菩薩の一生
24
(版). 杖にも柱にも此木を用・給ふとかや
(海). 杖にも柱にも此木を用・給ふとかや
(京). 杖にも柱にも此木を用給ふとかや
(山). 杖にも柱にも此木を用給ふとかや
(逸). 杖にも柱にも此木を用・給ふとかや
25
(版). 世の人の見付ぬ花や軒の栗
(海). 世の人の見付ぬ花や軒の栗
(京). 世の人の見付ぬ花や軒の栗
(山). 世の人の見付ぬ花や軒の栗
(逸). 世の人の見付ぬ花や軒の栗

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与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18.


表紙 000 
1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004 
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01
19.宮城野 035.02 036 037.04
20.壺の碑 037.05 038 039 040.03
21.末の松山 040.04 041 042.04
22.塩竈 042.04 043 044.04
23.松島 044.05 045 046 047 048 049.05
24.石巻 049.06 050 051.07
25.平泉 051.08 052
053 054 055.01
26.尿前の関 055.02 056 057 058 059.01
27.尾花沢 059.02 060.03
28.立石寺 060.04 061
29.最上川 062