01.是をやたてのはしめとして行道なを
02.すゝます人々ハ途中に立ならひて後かけの
03.ミゆるまてハと見送るなるへし
04.ことし元禄ニとせにや奥羽長途の行脚
05.只かりそめにおもひたちて呉天に白髪の
06.恨をかさぬといへとも耳にふれていまために
07.見ぬさかひ若生て帰らはと定なき頼の
08.末をかけその日漸早加といふ宿にたとり
09.着にけり痩骨の肩にかゝれるもの先
10.くるしむ只身すからにと出たち侍を紙子
11.一衣ハ夜の防きゆかた雨具墨筆のたくひ
12.あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
13.うちすてかたくて路次の煩となれるこそ
14.わりなけれ
15.室の八嶋に詣す同行曽良か曰此神ハ
16.木の花さくや姫の神と申て冨士一躰也無戸
17.室に入て焼給ふちかひのミ中に火々出見のミこと
18.生れ給ひしより室のやしまと申又煙を
19.読ならハし侍もこの謂也将このしろといふ魚を
20.禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
注:
08(末をかけ) 西村本系以外では(末をかけて)
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 水色:異体字 緑色:別字 赤色:誤字・衍字
(異字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).是・を矢立・の初・・として行道なを
(海).これを矢立・のはしめとして行道なを
(京).是・をやたてのはしめとして行道なを
(山).これを矢たてのはしめとして行道なを
(逸).これを矢たてのはしめとして行道なを
02
(版).すゝます人々ハ途中に立ならひて後・・かけの
(海).すゝます人々ハ途中に立ならひて後・・かけの
(京).すゝます人々ハ途中に立ならひて後・・かけの
(山).すゝます人々ハ途中に立ならひてうしろかけの
(逸).すゝます人々ハ途中に立ならひて後・・かけの
03
(版).ミゆる迄・ハと見送・なるへし
(海).見ゆるまてハと見送るなるへし
(京).ミゆるまてハと見送るなるへし
(山).見ゆるまてハと見送るなるへし
(逸).見ゆるまてハと見送るなるへし
04
(版).ことし元禄二とせにや奥羽長途の行脚 03a
(海).ことし元禄二とせにや奥羽長途の行脚
(京).ことし元禄ニとせにや奥羽長途の行脚
(山).ことし元禄二とせにや奥羽長途の行脚
(逸).ことし元禄二とせにや奥羽長途の行脚
05
(版).只かりそめに思・ひたちて呉天に白髪の
(海).只かりそめに思・ひたちて呉天に白髮の
(京).只かりそめにおもひたちて呉天に白髪の
(山).只かりそめにおもひたちて呉天に白髪の
(逸).只かりそめにおもひたちて呉天に白髪の
06
(版).恨・・を重・ぬといへ共・耳にふれていまために
(海).うらミを重・ぬといへとも耳にふれていまために [重ぬ][重
(京).恨・・をかさぬといへとも耳にふれていまために
(山).恨・・を重・ぬといへとも耳にふれていまために
(逸).恨・・を重・ぬといへとも耳にふれていまた目に [重ぬ][重
07
(版).見ぬさかひ若・生て帰らはと定なき頼・・の
(海).見ぬさかひもし生て帰らはと定なき頼・ミの
(京).見ぬさかひ若・生て帰らはと定なき頼・・の
(山).見ぬさかひもし生て帰らはと定なきたのミの
(逸).見ぬさかひもし生て帰らはと定なき頼・・の
08
(版).末をかけ・其・日漸早加と云・宿にたとり 西村本系のみ[末をかけ・][て]脱
(海).末をかけ・其・日漸早加といふ宿にたとり
(京).末をかけ・その日漸早加といふ宿にたとり
(山).末をかけ・其・日漸早加といふ宿にたとり
(逸).末をかけて其・日漸早加といふ宿にたとり
09
(版).着にけり痩骨の肩にかゝれる物・先
(海).着にけり痩骨の肩にかゝれるもの先
(京).着にけり痩骨の肩にかゝれるもの先
(山).着にけり痩骨の肩にかゝれる物・先 [かゝれる][か]判読難
(逸).着にけり痩骨の肩にかゝれるもの先
10
(版).くるしむ只身すからにと出立・侍・を帋子
(海).くるしむ只身すからにと出立・侍るを紙子 [と出立][と立][出]右に挿入
(京).くるしむ只身すからにと出たち侍・を紙子
(山).くるしむ只身すからにとたち出侍・を帋子 昔安本02a.05(立出侍るを)
(逸).くるしむ只身すからにと出立・侍るを帋子
11
(版).一衣ハ夜の防・きゆかた雨具墨筆のたくひ
(海).一衣ハ夜の防・きゆかた雨具墨筆のたくひ
(京).一衣ハ夜の防・きゆかた雨具墨筆のたくひ
(山).一衣ハ夜のふせきゆかた雨具墨筆のたくひ
(逸).一衣ハ夜のふせきゆかた雨具墨筆のたくひ
12
(版).あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
(海).あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
(京).あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
(山).あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
(逸).あるハさりかたき餞なとしたるハさすかに
13
(版).打・捨・かたくて路次の煩となれるこそ
(海).打・すてかたくて路次の煩となれるこそ
(京).うちすてかたくて路次の煩となれるこそ
(山).打・すてかたくて路次の煩となれるこそ [かたくて][く]判読難
(逸).打・すてかたくて路次の煩となれるこそ [路次][次]判読難
14
(版).わりなけれ
(海).わりなけれ
(京).わりなけれ
(山).わりなけれ
(逸).わりなけれ
15
(版).室の八嶋・に詣す同行曽良か曰此・神ハ
(海).室の八嶋・に詣す同行曽良か曰此・神ハ
(京).室の八嶋・に詣す同行曽良か曰此・神ハ
(山).室の八嶋・に詣す同行曽良か曰此・神ハ
(逸).室のやしまに詣す同行曽良か曰この神ハ
16
(版).木の花さくや姫・の神と申て冨士一躰也無戸
(海).木の花さくや姫・と神と申て冨士一躰也無戸
(京).木の花さくや姫・の神と申て冨士一躰也無戸
(山).木の花さくや姫・の神と申て冨士一躰也無戸
(逸).この花さくやひめの神と申て不二一躰也無戸 柿衛本06.10(不二)
17
(版).室に入て焼給ふちかひのみ中に火々出見のみこと 04a
(海).室に入て焼給ふちかひのみ中に火々出見のミこと
(京).室に入て焼給ふちかひのミ中に火々出見のミこと
(山).室に入て焼給ふちかひのみ中に火々出見のミこと
(逸).室に入て焼給ふちかひのみ中に火々出見のみこと
18
(版).生れ給ひしより室・の八嶋・と申又煙を
(海).生れ給ひしより室・の八しまと申又煙を
(京).生れ給ひしより室・のやしまと申又煙を
(山).生れ給ひしより室・の八しまと申又煙を
(逸).生れ給ひしよりむろのやしまと申又煙を
19
(版).読・習・・し侍・もこの謂也将・このしろといふ魚を
(海).よみならハし侍るもこの謂也将・このしろといふ魚を
(京).読・ならハし侍・もこの謂也将・このしろといふ魚を
(山).よみならハし侍るも此・謂也将・このしろといふ魚を
(逸).よみならハし侍るも此・謂也はたこのしろといふ魚を
20
(版).禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
(海).禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
(京).禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
(山).禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
(逸).禁す縁記の旨世に傳ふ事も侍し
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