01.そも/\ことふりにたれと松嶋ハ扶桑
02.㐧一の好風にして凡洞庭西湖を恥す
03.東西より海を入て江の中三里浙江の
04.潮をたゝふ嶋/\の数を盡して欹ものハ
05.天を指ふすものハ波に匍匐あるハ二重に
06.かさなり三重に畳ミて左にわかれ右につら
07.なる負るあり抱るあり児孫愛すかことし
08.松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
09.屈曲をのつからためたるかことし其けしき
10.窅然として美人の顔を粧ふちはやふる
11.神のむかし大山すミのなせるわさにや造化
12.の天工いつれの人か筆をふるひ詞を盡さむ
13.雄嶋か磯ハ地つゝきて海に出たる嶋也雲居
14.禅師の別室の跡坐禅石なと有将松の木陰に
15.世をいとふ人もまれ/\に見え侍りて落穂松笠
16.なと打けふりたる草の菴閑に住なし
17.いかなる人とハしられすなから先なつかいく
18.立寄ほとに月海にうつりて昼のなかめ又
19.あらたむ江上に帰りて宿をもとむれハ窓を
20.ひらき二階を作て風雲の中に旅寝する
21.こそあやしきまて妙なる心地ハせらるれ
22. 松嶋や霍に身をかれほとゝきす 曽良
注:15(まれ/\に見え侍りて) (に)衍字 版本23b.07(稀/\見え侍りて)
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).抑・・・ことふりにたれと松嶋・ハ扶桑 22b.05
(海).抑・・・ことふりにたれと松嶋・ハ扶桑
(京).そも/\ことふりにたれと松嶋・ハ扶桑
(山).そも/\ことふりにたれと松嶋・ハ扶桑
(逸).抑・・・ことふりにたれと松しまハ扶桑
02
(版).㐧一の好風にして凡洞庭西湖を恥す
(海).㐧一の好風にして凡洞庭西湖を恥す
(京).㐧一の好風にして凡洞庭西湖を恥す
(山).㐧一の好風にして凡洞庭西湖を恥す
(逸).㐧一の好風にして凡洞庭西湖に恥す
03
(版).東南より海を入て江の中三里浙江の
(海).東南より海を入て江の中三里浙江の
(京).東西より海を入て江の中三里浙江の
(山).東南より海を入て江の中三里浙江の
(逸).東南より海を入て・・・・・浙江の
04
(版).潮をたゝふ嶋/\の数を盡して欹ものハ 23a
(海).潮をたゝふ嶋/\・数を盡して欹ものハ
(京).潮をたゝふ嶋/\の数を盡して欹ものハ
(山).潮をたゝふ嶋/\の数を盡して欹ものハ
(逸).潮をたゝふ島の数/\を盡して欹ものハ
05
(版).天を指ふすものは波に匍匐あるハ二重に
(海).天を指ふすものハ波に匍匐あるハ二重に
(京).天を指ふすものハ波に匍匐あるハ二重に
(山).天を指ふすものハ波に匍匐あるハ二重に
(逸).天を指ふすものハ波に匍匐あるハ二重に
06
(版).かさなり三重に畳・ミて左にわかれ右につら
(海).かさなり三重に畳・ミて左にわかれ右につら
(京).かさなり三重に畳・ミて左にわかれ右につら
(山).かさなり三重にたゝみて左にわかれ右につら
(逸).重・・り三重にたゝみて・・・・・・・・・
07
(版).なる負るあり抱るあり児孫愛すかことし
(海).なる負る有・抱るあり児孫愛すかことし
(京).なる負るあり抱るあり児孫愛すかことし
(山).なる負るあり抱るあり児孫愛すかことし (負る)行頭
(逸).・・負る有・抱るあり児孫愛すかことし (負る)行頭
08
(版).松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
(海).松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
(京).松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
(山).松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
(逸).松の緑こまやかに枝葉汐風に吹たハめて
09
(版).屈曲をのつからためたるかことし其・気色・
(海).屈曲をのつからためたるかことし其・気色・
(京).屈曲をのつからためたるかことし其・けしき
(山).屈曲おのつからためたるかことし其・気色・
(逸).屈曲をのつからためたるかことしそのけしき
10
(版).窅然として美人の顔を粧ふちはや振・
(海).窅然として美人の顔を粧ふちはや振・
(京).窅然として美人の顔を粧ふちはやふる
(山).窅然として美人の顔を粧ふちはやふる
(逸).窅然として美人の顔を粧ふちはやふる
11
(版).神・のむかし大山すミのなせるわさにや造化 23b
(海).神・のむかし大山すミのなせるわさにや造花
(京).神・のむかし大山すミのなせるわさにや造化
(山).神・のむかし大山すミのなせるわさにや造化
(逸).かミのむかし大山すミのなせるわさにや造化
12
(版).の天工いつれの人か筆をふるひ詞・・を盡さむ
(海).の天工いつれの人か筆をふるひ詞・・を盡さむ
(京).の天工いつれの人か筆をふるひ詞・・を盡さむ
(山).の天工いつれの人か筆をふるひ詞・・を盡さむ
(逸).の天工いつれの人か筆をふるひことはを盡さむ
13
(版).雄嶋・か磯・ハ地つゝきて海に出たる嶋也・雲居
(海).雄嶋・か磯・ハ地つゝきて海に出たる嶋なり雲居
(京).雄嶋・か磯・ハ地つゝきて海に出たる嶋也・雲居
(山).雄嶋・か磯・ハ地つゝきて海に出たる嶋也・雲居
(逸).雄しまかいそハ地つゝきて海に出たる嶋なり雲居
14
(版).禅師の別室の跡・坐禅石なと有・将・松の木陰に
(海).禅師の別室の跡・坐禅石なとありはた松の木陰に
(京).禅師の別室の跡・坐禅石なと有・将・松の木陰に
(山).禅師の別室の跡・坐禅石なと有・将・松の木陰に
(逸).禅師の別室のあと坐禅石なと有・はた松の木陰に
15
(版).世をいとふ人も稀・/\・見え侍りて落穂松笠・
(海).世をいとふ人も稀・/\・見え侍りて落穂松笠・
(京).世をいとふ人もまれ/\に見え侍りて落穂松笠・
(山).世をいとふ人もまれ/\・見え侍りて落穂松笠・
(逸).世をいとふ人もまれ/\・見え侍りて落穂松かさ
16
(版).なと打けふりたる草の菴閑に住なし 24a
(海).なと打けふりたる草の菴閑に住なし
(京).なと打けふりたる草の菴閑に住なし
(山).なと打けふりたる艸の庵閑に住なし
(逸).なと打けふりたる草の菴閑に住なし
17
(版).いかなる人とはしられすなから先なつかしく
(海).いかなる人とハしられすなから先なつかしく
(京).いかなる人とハしられすなから先なつかいく
(山).いかなる人とハしられすなから先なつかしく
(逸).いかなる人とハしられすなから先なつかしく
18
(版).立寄・ほとに月海にうつりて昼のなかめ又
(海).立寄・ほとに月海にうつりて昼のなかめ又
(京).立寄・ほとに月海にうつりて昼のなかめ又
(山).立寄・ほとに月海にうつりて昼のなかめ又
(逸).立よるほとに月海にうつりて昼のなかめ又
19
(版).あらたむ江上に帰りて宿を求・・れハ窓を
(海).あらたむ江上に帰りて宿を求・・れハ窗を
(京).あらたむ江上に帰りて宿をもとむれハ窓を
(山).あらたむ江上に帰りて宿をもとむれハ窗を
(逸).あらたむ江上に帰りて宿をもとむれは窗を
20
(版).ひらき二階を作・・て風雲の中に旅寐する
(海).ひらき二階を作・・て風雲の中に旅寝する
(京).ひらき二階を作・・て風雲の中に旅寝する
(山).ひらき二階を作・・て風雲の中に旅寝する
(逸).ひらき二階をつくりて風雲の中に旅寝する
21
(版).こそあやしきまて妙なる心地ハせらるれ [こそ][とは(者)]にも見える
(海).とはあやしきまて妙なる心地ハせらるれ [とは(者)]
(京).こそあやしきまて妙なる心地ハせらるれ [こそ(所)]
(山).こそあやしきまて妙なる心地ハせらるれ [こ(古)そ]
(逸).こそあやしきまて妙なる心地ハせらるれ [こ(古)そ]
22
(版). 松嶋・や靏に身をかれほとゝきす 曽良
(海). 松嶋・や霍に身をかれほとゝきす 曽良
(京). 松嶋・や霍に身をかれほとゝきす 曽良
(山). 松しまや靍に身をかれほとゝきす 曽良
(逸). 松しまや霍に身をかれほとゝきす 曽良
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