おくのほそ道の原書(素龍筆 井筒屋本)や与謝蕪村の奥の細道を気軽に読んでみようというブログです。
変体仮名もくずし字もどんどん読もう。
芭蕉自筆本・曽良本・柿衛本・早大本・昔安本などの違いも見ていきたいと思います。
Let's read OKU-NO HOSOMICHI in the original.
与謝蕪村 奥の細道 京都国立博物館蔵 下巻 07
01.一里はかり俤松島にかよひて又異なり
02.松しまハ笑ふかことくきさかたハうらむかことし
03.寂しさに悲しミを加て地勢魂をなやますに似たり
04. 象泻や雨に西施かねふの花
05. しほこしや靏はきぬれて海涼し
06. 祭礼
07. きさかたや料理何くふ神祭 曽良
08. 蜑の家や戸板を敷て夕涼 みのゝ国<の>商人 低耳
09. 岩上に雎鳩の巣をミる
10. 波こえぬ契ありてやみさこの巣 曽良
11.酒田の余波日を重て北陸道の雲にのそミ
12.遥々のおもひ胸をいたましめてか賀の
13.府まて百卅里と聞鼡の関をこゆれは
14.越後の地に歩行を改て越中の国一ふりの関に
15.到る此間九日暑濕の労に神をなやまし
16.病おこりて事をしるさす
17. 文月や六日も常の夜にハ似す
18. あらうミや佐渡によこたふ天河
注:08<の> <の>脱字を補う
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略語記号:
(版):明和版 おくのほそ道
(海):海の見える杜美術館蔵
(京):京都国立博物館蔵
(山):山形美術館蔵
(逸):逸翁美術館蔵
版本に対して異同の色分け
黄色:漢字vsかな 橙色:送り仮名 水色:異体字 水色:別字 赤色:誤字・脱字・衍字
(異体字に関して一つの目安とお考え下さい)
01
(版).一里はかり俤松・嶋・にかよひて又異なり 38a.04
(海).一里はかり俤松・嶋・にかよひて又異なり
(京).一里はかり俤松・島・にかよひて又異なり
(山).一里計・・俤松・嶋・にかよひて又異なり
(逸).一里はかり俤まつしまにかよひて又異なり
02
(版).松嶋・ハ笑ふか如・く象・泻・ハうらむ・かことし
(海).松しまハ笑ふかことく象・泻・ハうらむ・かことし
(京).松しまハ笑ふかことくきさかたハうらむ・かことし
(山).松嶋・ハ笑ふか如・くきさかたハうらむるかことし 永機30b.01(うらむるかことし)
(逸).松嶋・ハ笑ふかことくきさかたハうらむるかことし 早大26a.13-14(うらむるかことし)
03
(版).寂しさに悲しみをくはえて地勢魂をなやますに似たり
(海).寂しさに悲しみをくはえて地勢魂をなやますに似たり
(京).寂しさに悲しミを加・・て地勢魂をなやますに似たり
(山).寂しさに悲しみを加・へて地勢魂をなやますに似たり [加へて][へ][え]判別難 昔安19b.11(かなしひをくはへて)
(逸).寂しさに悲しみをくはえて地勢魂をなやますに似たり
04
(版). 象泻や雨に西施かねふの花 38b.01
(海). 象泻や雨に西施かねふの花
(京). 象泻や雨に西施かねふの花
(山). 象泻や雨に西施かねふの花
(逸). 象瀉や雨に西施かねふの花
05
(版). 汐・越・や鸖はきぬれて海涼し
(海). 汐・こしや霍はきぬれて海涼し
(京). しほこしや靏はきぬれて海涼し
(山). 汐・こしや霍はきぬれて海涼し [涼]判読難(文字が小さいため)
(逸). しほこしや霍はきぬれて海涼し
06
(版). 祭礼
(海). 祭礼
(京). 祭礼
(山). 祭礼
(逸). 祭礼
07
(版). 象・泻・や料理何くふ神祭 曽良
(海). きさかたや料理何くふ神祭 曽良
(京). きさかたや料理何くふ神祭 曽良
(山). 象・泻・や料理何くふ神祭 曽良
(逸). きさかたや料理何くふ神祭 曽良
08
(版). 蜑の家や戸板を敷て夕涼・・ ミのゝ国・の商人低耳
(海). 蜑の家や戸板を敷て夕涼・・ ミのゝ国・の商人低耳
(京). 蜑の家や戸板を敷て夕涼・・ みのゝ国・・商人低耳
(山). 蜑の家や戸板を敷て夕涼・・ みのゝ国・の商人低耳
(逸). 蜑の家や戸板を敷て夕すゝみ ミのゝくにの商人低耳
09
(版). 岩上に雎鳩の巣をみる
(海). 岩上に雎鳩の巣をみる
(京). 岩上に雎鳩の巣をミる
(山). 岩上に雎鳩の巣をみる [岩上に][岩に][上]挿入
(逸). 岩上に雎鳩の巣を見る
10
(版). 波こえぬ契ありてやみさこの巣 曽良
(海). 浪こえぬ契ありてやミさこの巣 曽良
(京). 波こえぬ契ありてやみさこの巣 曽良
(山). 波こえぬ契ありてやみさこの巣 曽良
(逸). 波こえぬ契ありてやみそこの巣 曽良
11
(版).酒田の余波・日を重・・て北陸道の雲に望・・ 39a.01
(海).酒田の余波・日を重・・て北陸道の雲に望・・
(京).酒田の余波・日を重・・て北陸道の雲にのそミ
(山).坂田の余波・日を重・・て北陸道の雲に望・・
(逸).酒田のなこり日をかさねて北陸道の雲にのそみ
12
(版).遥・々・のおもひ胸をいたましめて加賀の
(海).遥・々・のおもひ胸をいたましめて加賀の
(京).遥・々・のおもひ胸をいたましめてか賀の [か賀][か(加)]
(山).遥・々・のおもひ胸をいたましめてか賀の [か賀][か(加)]
(逸).はる/\のおもひ胸をいたましめて加賀の
13
(版).府まて百卅・里と聞・鼡の関をこゆれは
(海).府まて百卅・里と聞・鼡の関をこゆれは
(京).府まて百卅・里と聞・鼡の関をこゆれは
(山).府まて百卅・里と聞・鼡の関をこゆれは
(逸).府まて百三十里ときく鼡か関をこゆれは
14
(版).越後の地に歩行を改・・・て越中の国一ふりの関に
(海).越後の地に歩行を改・・・て越中の国一ふりの関に
(京).越後の地に歩行を改・・・て越中の国一ふりの関に
(山).越後の地に歩行を改・・・て越中の國一ふりの関に
(逸).越後の地に歩行をあらためて越中の国一ふりの関に
15
(版).到る此・間九日暑濕の労に神をなやまし
(海).到る此・間九日暑濕の労に神をなやまし
(京).到る此・間九日暑濕の労に神をなやまし
(山).到る此・間九日暑濕の労に神をなやまし
(逸).到るこの間九日暑濕の労に神をなやまし
16
(版).病おこりて事・をしるさす
(海).病おこりて事・をしるさす
(京).病おこりて事・をしるさす
(山).病おこりて事・をしるさす
(逸).病おこりてことをしるさす
17
(版). 文・月や六日も常の夜にハ似す 39b.01
(海). ふミ月や六日も常の夜にハ似す
(京). 文・月や六日も常の夜にハ似す
(山). 文・月や六日も常の夜にハ似す
(逸). ふミ月や六日も常の夜にハ似す
18
(版). 荒・海・や佐渡によこたふ天・・河
(海). あら海・や佐渡によこたふあまの河
(京). あらうミや佐渡によこたふ天・・河
(山). あらうみや佐渡によこたふ天・・河
(逸). あらうみや佐渡によこたふ天・・河
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与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18. 1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01