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2020年11月29日日曜日

松島図誌 [石斛(セッコク) 鹽松紀行からの模写と松島勝譜のトレース]

仙台藩の儒者であった桜田虎門は、本草学にも造詣が深かったようです。松島図誌には、松島に自生する、石斛(セッコク)という植物が紹介されています。

松島図誌 鼓缶子(桜田虎門) 述 東澤 圖 伊勢屋半右衛門 文政四年(1821)
国文研 35 36

▲産物 ○福浦嶋の竹(くハしく前に見へたり)○岩長生(即巻柏なり)  [岩長生(いハひば)]
○石斛○雨漏草(即尾韋なり)○城垣草(即海州骨碎補なり)  
[城垣(しのぶ)]
○寒ざらし鹿角菜○水飴○茶筅○紅蓮せんべい・・・


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しかし、この絵は次の本を元に描かれたようです。

鹽松紀行
著者:僲臺 南山  釋古梁(古梁紹岷) 文化六年二月(1809)
附録:先遊遺観 仙臺 東斎 菅智義(菅井梅関) 図
国文研 17


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石斛
諸島多生之以棕皮包根以
代掛蘭雅澹可愛也

両者は多少は違っていますが、絵の質感などは同じです。出版年からみて、松島図誌の東澤は、鹽松紀行の菅智義の絵を参考に描いたものと思われます。

更に、松島勝譜では、 鹽松紀行の絵をトレースしています。

 

松島勝譜 校訂:大槻復軒 編纂:作並鳳泉 筆者:原田鼎洲
画:瀧和亭 荒木寛畒 川端玉章  出版:明治21年7月28日
宮城県図書館  33


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石斛(せきこく)

松嶋名産の一なり
南山師曰諸嶋多生
レ之以2棕皮1包レ根以代2
掛蘭1雅澹可レ愛也こ

の外に岩に岩長生雨漏  
[岩長生(いはひバ)]
草城垣草等を産す    
[雨漏草(あめもりさう)] [城垣草(しのぶぐさ)]

落款:寛畒

絵に添えられている文章には、「南山師曰く」とあり、鹽松紀行の作者について言及されているのですが、書名には言及されておらず、絵には「寛畝」の落款があります。先に見た松島真景のトレースと同じように、荒木寛畒は名前を貸しただけなのかもしれません。

また、文章の構成からすると、松島勝譜は、塩松勝譜と松島図誌も参考にしているものと思われます。

 
塩松勝譜  巻之三
舟山万年(光)編・佐沢広胖校訂
文政5年成立(1822)
仙臺叢書別冊四巻 巻之十四 p276

石斛
 松島島嶼所在之アリ南山禅師 鹽松紀行ノ附録之
 レヲ載ス曰ク。諸島多ク之ヲ生ス。皮根ヲ包ミ以テ
 掛蘭ニ代フ 雅澹愛ス可キナリ 延喜式。貢薬。陸奥
 六種 其中石斛八十斤



もう一つ、松島勝譜が鹽松紀行の絵をトレースしている箇所を見てみたいと思います。

鹽松紀行
著者:僲臺 南山  釋古梁(古梁紹岷) 文化六年二月(1809)
附録:先遊遺観 仙臺 東斎 菅智義(菅井梅関) 図
掛田島・烏崎   国文研  15


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松島勝譜 校訂:大槻復軒 編纂:作並鳳泉 筆者:原田鼎洲
画:瀧和亭 荒木寛畒 川端玉章 出版:明治21年7月28日
掛田嶋(かけたじま)  宮城県図書館 47  48


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鹽松紀行では「烏崎」と書かれた部分に、瀧和亭(蘭田)の落款があります。

瀧和亭(蘭印)の落款

和亭 蘭印

和亭も高名な画家なので、トレースをしたとは思えないので、名前を貸したのではないかと思います。

2020年11月16日月曜日

松島図誌 (松島真景 松島勝譜によるトレース)

松島図誌は、仙台藩の儒者 桜田虎門が著述し、東沢が絵を担当した松島の地誌です。寛政4(1821)に出版され、その後、天保2(1831)、明治21年7月3日(1888)と重版されています。

次は、松島の真景図です。

松島図誌 鼓缶子(桜田虎門) 述 東澤 圖 伊勢屋半右衛門 文政四年
国文研 03, 04, 05
松島図誌  東澤 図 松島真景図
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本誌ではページごとに分割されているのでわかりにくいのですが、ページを繋ぎ合わせてみると、六曲の屏風のような松島のパノラマが広がります。
向かって左から、冨山・五大堂・松島港・観瀾亭・渡月橋・見仏堂などが描かれています。

そして、この真景図は 松島勝譜 でトレースされています。

松島勝譜 校訂:大槻復軒 編纂:作並鳳泉 筆者:原田鼎洲
画:瀧和亭 荒木寛畒 川端玉章  出版:明治21年7月28日
松島真景 宮城県図書館 09, 10, 11, 12

松島勝譜  荒木寛畒 川端玉章  松島真景
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ぱっと見た感じでは両者は、全く同じように見えますが、細かい部分は違っています。おそらく松島勝譜は、松島図誌を被せ彫りしたのではないかと思います。

向かって一番右側と、4枚目に「川端玉章」の落款が、5枚に「荒木寛畒」の落款があります。

落款 寛畒  荒木寛畒 玉章 寫 落款  端玉章印 玉章 落款  川端玉章
 寛畒・落款/玉章・寫・落款(端玉章印)(回文印)/玉章・落款

両者ともに高名な画家なので、このようなトレースをするとは思えません。事情を知らずに名前を貸したのかもしれません。

 


与謝蕪村 奥の細道 上巻
与謝蕪村 奥の細道 下巻
12-13. 14. 15. 16-17. 18.


表紙 000 
1.序章 001 002 003.03
2.旅立 003.03 004 
3.草加 005 006.05
4.室の八島 006.06 007.05
5.仏五左衛門 007.06 008 009.01
6.日光 009.02 010 011 012.03
7.那須 012.04 013 014.06
8.黒羽 014.07 015 016.07
9.雲巌寺 016.08 017 018 19.07
10.殺生石・遊行柳 19.08 020 021.02
11.白河の関 021.03 022.06
12.須賀川 022.07 023 024 025.05
13.あさか山 025.06 026.06
14.しのぶの里 026.06 027.07
15.佐藤庄司が旧跡 027.08 028 029.07
16.飯塚 029.07 030 031.08
17.笠島 031.08 032 033.03
18.武隈 033.04 034 035.01
19.宮城野 035.02 036 037.04
20.壺の碑 037.05 038 039 040.03
21.末の松山 040.04 041 042.04
22.塩竈 042.04 043 044.04
23.松島 044.05 045 046 047 048 049.05
24.石巻 049.06 050 051.07
25.平泉 051.08 052
053 054 055.01
26.尿前の関 055.02 056 057 058 059.01
27.尾花沢 059.02 060.03
28.立石寺 060.04 061
29.最上川 062