おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 058 ルビ付
05「せし」 左・明和版 中・元禄版 右・寛政版
明和版の「せ」は欠損ではなく、元禄版に忠実だったことがわかる。
しかし「と」に見えるために、寛政版では手が加えられたようだ。
06「必」 07「いら」 文字欠損のため他版参照
08「さへ」 文字欠損のため他版参照
おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 058 変体仮名
01 雲端尓(に)つち婦(ふ)る心地して
02 篠の中踏分/\水をわ多(た)り岩
03 尓(に)蹶て肌尓(に)つめ多(た)き汗を流
04 して最上の庄尓(に)出川(つ)可(か)の
05 案内せしおのこの云やう此みち
06 必不用の事有恙なうをくり
07 まいらせて仕合志(し)多(た)りとよろこひて
08 王(わ)可(か)れぬ跡尓(に)聞てさへ胸とゝろく
おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 058
濁点・現代仮名・(読点は曽良本に従う)
01 雲端に、つちふる心地して、
02 篠の中(なか)、踏分/\水を、わたり岩
03 に、蹶(つまづい)て、肌(はだへ)に、つめたき、汗を流
04 して、最上の庄に出づ、かの、
05 案内せし、おのこの云やう、此みち、
06 必、不用の事有、恙なう、をくり
07 まいらせて、仕合したりと、よろこびて、
08 わかれぬ、跡に聞てさへ、胸とゞろく
諸本の異同の対照
井筒屋本
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柿衛本
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曽良本
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芭蕉自筆本
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058.01(つち)
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47.08(土)
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21a.08(土)
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17b.11(土)
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058.02(踏分)
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47.09(ふみ分)
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21a.09(踏分)
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17b.11(踏分)
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058.03(蹶て)
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47.10(つまついて)
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21a.09(つまついて)
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17b.12(つまついて)
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058.03(肌に)
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47.10(肌に)
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21b.01(肌に)
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17b.13(肌)
(肌)(ハタヘ)ルビ有り
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058.03-04(流して)
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48.01(なかして)
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21b.01(流して)
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17b.13(流して)
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058.04(出つ)
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48.01(いつる)
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21b.01(出ス)
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18a.01(出ス)
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058.04(かの)
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48.02(かの)
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21b.01(彼)
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18a.01(彼)
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058.05(おのこの)
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48.02(もの)
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21b.02(おのこの)
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18a.01(おのこの)
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058.05(此みち)
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48.02(この道)
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21b.02(この道)
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18a.02(この道)
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058.06(有)
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48.03(あり)
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21b.02(有)
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18a.02(有)
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058.06(恙なうをくり)
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48.03(恙なうをくり)
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21b.03(つゝかなう送り)
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18a.02(つゝかなう送り)
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058.08(跡に)
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48.05(あとに)
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21b.04(跡に)
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18a.04(跡に)
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058.08(とゝろく)
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48.06(轟く)
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21b.04(とゝろく)
(と)(ト)ルビ有り
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18a.04(とゝろく)
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