2015年8月26日水曜日

おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023

おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023 底本
おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023 底本  

おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023 ルビ付
おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023 ルビ付

02「沼 と」
02「沼と」  文字欠損のため他版参照

03「今日は,の」
03「今日は,の」文字欠損のため他版参照
右端の「今日の」は誤刻である。

08「腸 を,越(を)」
08「腸を, 越(を)」文字欠損のため他版参照
欠損の状態からすると、右端の越(を)の変体仮名が基である可能性が高い。とすると、明和版の基になった元禄版は、この部分に「越」の変体仮名が使われた版という事になるか? と思ったのですが、もう少し見てみたところ次のような感じになりました。

 
上記のように、元禄初版では、「を」であったものが欠損し、明和版は欠損したまま写され、もう一つの不明(元禄系)の版は欠損箇所を「越を」の変体仮名に改変したようです。

おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023 変体仮名
01 尓(に)岩城相馬三春の庄常陸下野
02 の地をさ可(か)ひて山つらなる可(か)け沼と
03 云所を行尓(に)今日八(は)空曇て物
04 影うつらすす可(か)川の驛尓(に)等窮
05 といふものを尋て四五日とゝめらる
06 先白河の関い可(か)尓(に)こえつるやと
07 問長途のくるしみ身心つ可(か)れ且八(は)
08 風景尓(に)魂う八(は)ゝ連(れ)懐旧尓(に)腸を

注:
03 云所---云ふ所
03 行に---行くに
03 曇て---曇りて
05 尋て---尋ねて
06 先---先づ
07 問---問ふ

おくのほそ道 素龍筆 井筒屋本 023
濁点・現代仮名・(読点は曽良本に従う)
01 に、岩城(いはき)、相馬(さうま)、三春の庄、常陸(ひたち)、下野(しもつけ)、
02 の地をさかひて、山つらなる、かげ沼と
03 云ふ所を行くに、今日は、空曇りて、物
04 影うつらず、すか川の驛に、等窮(とうきゆう)
05 といふものを尋ねて、四五日とゞめらる、
06 先づ白河の関、いかにこえつるやと
07 問ふ、長途(ちやうど)のくるしみ、身心(しんじん)つかれ、且(かつ)は、
08 風景に魂うばゝれ 懐旧(くわいきう)に腸(はらわた)を

諸本の異同の対照
井筒屋本
柿衛本
曽良本
芭蕉自筆本
023.01(三春)
19.06(三春)
08b.09(三春)
07a.11(箕張)
023.03(今日)
19.08(けふ)
09a.01(けふ)
07a.12(けふ)
023.03(曇て)
19.08(くもりて)
09a.01-02(曇りて)
07a.13(曇りて)
023.03-04(物影)
19.09(物かけ)
09a.02(物影)
07a.13(物ゝ影)
023.04(すか川)
19.09(すか川)
09a.02(須か川),()変体仮名のようでもあるが、すぐ前の()の変体仮名と字体が異なる
07a.13(須か川)
023.04(等窮)
19.10(等窮)
09a.02(等窮)
(等躬)()見せ消ち右に()
07a.14(等躬),(キウ)ルビ有り
023.05(尋て)
19.10(尋て)
09a.03(たつねて)
07a.14(たつねて)
023.05(四五日)
19.10(四五日も)
09a.03(四五日)
07b.01(四五日)
023.06(白河)
20.01(白川)
09a.03(白河)
07b.01(白河)
023.06(いかにこえつるやと),()
20.01-02(いかにこえつるやと),()
09a.04(いかにこえつるにやと)
07b.01-02(いかにこえつるにやと)
023.07()
20.02(とふ)
09a.04()
07b.02()
023.07(身心)
20.02-03(身心)
09a.05(-)
07b.02(-)